北朝鮮代表団、グーグル本社訪問
先月21日から訪米中の北朝鮮経済代表団は1日、米カリフォルニア州マウンテンビューにあるグーグル本社を訪れた。グーグルはツイッターやフェイスブックなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)同様、今年初めから中東地域に巻き起こった「ジャスミン革命」に原動力を提供したと評価されている、米国の代表的な情報技術(IT)企業だ。
北朝鮮経済代表団一行12人は同日午前10時ごろ、グーグル本社に到着、約1時間40分にわたる見学は非公開で行われた。一行は見学を終えた後、グーグルと産学協力関係にあるスタンフォード大学へ移動した。同大学のアジア・太平洋研究所が主催したセミナー昼食会に出席、シリコンバレーのほかのIT企業関係者らに会ったという。
世界で最も「閉ざされた国」と、自由なコミュニケーションを強調する最大手IT企業による今回の「出会い」について、双方とも正式に発表していない。どちらがグーグル訪問を提案したのかも分かっていない。
外交通商部(省に相当)当局者は「おそらく、米国側が北朝鮮側にIT技術水準や影響力を示そうという考えからグーグル訪問などをあっせんしたものと思われる。今すぐに北朝鮮が開放されるなどの効果は期待できないが、長期的に見れば、北朝鮮の人々の外に対する認識を変えるのに役に立つのでは」と語った。
今回米国を訪れた経済代表団は、北朝鮮政府内で実務を担当する中間クラスの幹部だとのことだ。代表団は、アジア財団の招待で先月21日から米サンディエゴ・ニューヨーク・ロサンゼルス・サンフランシスコを回った後、3日に帰国した。訪米中、一行はグーグルのほか、世界的な無線通信関連企業のクアルコム、経済専門通信社のブルームバーグ、有名デパートのブルーミングデール、金融会社のシティグループなども回ったという。米政府はこのほど、北朝鮮外務省の金桂寛(キム・ゲグァン)外務次官、李根(リ・グン)米州局長といった高官の訪米は許可していない。しかし、民間団体が中間クラスの幹部らを招待し、経済・文化・教育に関する日程を消化する場合だけ、例外的に入国を許可している。
一方、先月28日から4日間にわたりイギリスを訪問し、食糧支援などを要請した北朝鮮の崔泰福(チェ・テボク)最高人民会議議長は、イギリス議会関係者から『泣くなトンズ(英語タイトル『Don't cry for me Sudan』)』のDVDをプレゼントされた。これは、アフリカのスーダンで現地の人々のため献身的に活動していたさなかに大腸がんで死去した韓国人のイ・テソク神父について、韓国で制作されたドキュメンタリー。外交部当局者は「イギリスがどのような意味でそのDVDをプレゼントしたかは分からない。北朝鮮で韓国のDVDを所蔵することが違法とは知らずにプレゼントした可能性もある」と話している。
金真明(キム・ジンミョン)記者