2011年2月15日 10時42分 更新:2月16日 10時7分
【カイロ鵜塚健、エルサレム花岡洋二】長期独裁政権を打倒したエジプト政変に触発された反政府デモが14日、周辺の中東諸国に拡大し、現地からの報道によると、イランで参加者の2人、バーレーンでも2人が死亡した。イランの大規模デモはエジプト政変後初めて。また、イエメンでは4日連続でデモがあり、警官隊と衝突する事態になっている。
イランの首都テヘランでは14日、アフマディネジャド政権に反発する市民ら数千人がデモ行進。ファルス通信によると「扇動者」の発砲などで2人が死亡、多数が負傷した。治安部隊が催涙弾などでデモ隊に応酬し数十人を拘束している模様だ。
デモは、保守派のアフマディネジャド大統領に反発する改革派のムサビ元首相やカルビ元国会議長が呼びかけていた。若者らが「独裁者に死を」などのスローガンを掲げてテヘラン市内を行進し、治安部隊が催涙弾を発射したり、棒で殴るなどして抑え込んだ。この日、中部イスファハン、南部シラーズでも同様のデモがあった。
ムサビ氏らは「(反政府デモを展開した)エジプトやチュニジア国民を支持する」という名目でデモ許可を治安当局に事前申請していた。これに対し、当局は反政府デモに転化するのを恐れ、この数日間でデモ計画の関係者を相次いで逮捕しムサビ氏を自宅軟禁状態にした。
一方、バーレーンの首都マナマと周辺の町村でも大規模な民主化要求デモがあり、1000人以上が参加。警官隊が催涙弾やゴム弾を発砲し、参加者2人が死亡した。ロイター通信が伝えた。
さらに、イエメンの首都サヌアでは、南北イエメン統一(90年)以来、大統領職にあるサレハ氏の即時退陣を求める4日連続のデモが発生し、学生や弁護士ら数千人が参加した。