強制わいせつ致傷:36歳被告に懲役6年判決 裁判員裁判

2011年2月15日 9時39分 更新:2月15日 11時13分

 強制わいせつ致傷罪などで起訴された大阪府四條畷市、無職、安藤和紀被告(36)に対する裁判員裁判の判決が14日、大阪地裁であり、和田真裁判長は求刑通り懲役6年を言い渡した。安藤被告は裁判員裁判対象外の強制わいせつ事件などで懲役5年(求刑・懲役7年)の有罪判決をすでに受けており、量刑は合わせて懲役11年となった。

 事件数が多い場合、裁判員の負担軽減などのため、裁判員対象事件とそれ以外を分けて審理(区分審理)するケースがある。その場合、通常、裁判員裁判以外の事件は有罪・無罪だけを決め、全体の量刑(有罪・無罪を含む)は裁判員裁判で決める。今回は先行する判決で量刑も決めており、裁判員裁判の量刑が焦点だった。

 安藤被告は道を尋ねるふりをして女性の体を触ったなどとして被害者計32人の事件で起訴された。このうち裁判員対象外の29人の事件について、裁判官3人だけで審理し、先月31日に判決を言い渡した。

 裁判員裁判では、検察側が「全体で懲役13年が妥当」と主張。先行裁判で懲役7年を求刑したことから懲役6年を求めていた。一方、弁護側は「全体で懲役6年6月が相当」とし、先行判決の量刑を引いて「懲役1年6月」を主張していた。

 和田裁判長は、別々に審理したことで量刑が重くなりすぎるのを避けるため「全体の量刑を考えた上で、今回の事件について検討した」と説明。事件の悪質さから「全体で懲役15年近くでもおかしくない」と批判し、先行判決の懲役5年と更生の可能性を考慮して「懲役6年」と判断した。【苅田伸宏】

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