2011年2月15日 0時51分 更新:2月15日 1時4分
菅再改造内閣の発足(1月14日)から14日で1カ月。厳しい政権運営は続くが「影の首相」といわれて影響力を示した仙谷由人官房長官を引き継いだ内閣の司令塔・枝野幸男官房長官も指導力を出しきれずにいる。
史上最年少の46歳で官房長官に就任した枝野氏。同じ当選6回だが、65歳で老かいな仙谷氏と比べて影が薄い。国会答弁や記者会見でも守りの姿勢が際立つ。年上の閣僚のはざまで存在感をアピールしにくいようだ。
野党時代、歯切れ良い発言で知られたが、14日の2回の会見では低迷する世論調査への感想などを問われ「コメントを控えたい」との表現を10回使用。コメントなし、は枝野氏の決まり文句となり、発信力はいま一つだ。
民主党は「官僚依存からの脱却」を目指すが、官僚には「せっかち」を自認。1月17日の内閣官房幹部への就任あいさつでは「結論からスピーディーに報告を。非常に丁寧に説明されるといらつくかも」とけん制した。
枝野氏の挑発に官僚からは「説明時間は仙谷さんの半分か3分の1。議論好きの仙谷さんは嫌な顔をせずに耳を傾けていた。重要なことはちゃんと説明したい」と不満も漏れる。官僚との関係構築はこれからだ。【影山哲也】