2011年2月14日 19時49分
【ジュネーブ支局】スイスの国民投票で13日、軍の自動小銃を自宅に保管する慣習をやめようという提案が、反対56.3%で否決された。可決に必要な州別の賛否も、賛成は26州のうち北西部のフランス語圏を中心に6州にとどまった。
軍の銃を自宅に持ち帰るのは、国民皆兵制・武装中立国スイスの長年の伝統で、予備役になる時は、非常に安く買い取ることもできる。
しかし、女性団体や医師会などは、家庭内の殺傷事件や銃による自殺多発の遠因になっていると主張。家への銃持ち帰りを禁じ、より厳しい全国統一の登録制度を設けるよう求めて署名を集め、国民投票を提起した。
投票の結果、「銃の家庭での保管は、スイスの伝統文化、存在証明でもある」という反対論が、ドイツ語圏の農村部を中心に根強いことが示された。