2011年2月14日 21時19分 更新:2月14日 23時34分
大相撲の八百長問題で、日本相撲協会は14日、協会内に再発防止委員会を設置することを決めた。同日、東京・両国国技館で開いた臨時理事会で、特別調査委員会(座長=伊藤滋・早稲田大特命教授)から中間報告を受け、対応を協議した。
再発防止委は、親方5人、外部有識者3人で構成。人選は協会一任となる。「調査と処分と再発防止は3点セット」という放駒理事長(元大関・魁傑)の意向を受けたもの。一方、調査委はメンバーの弁護士事務所に協会員対象のホットラインを開設し、情報収集に努めることを決めた。
会見した伊藤座長は、疑惑を持たれている14人に、引き続き携帯電話の提出を求める考えを示したが、「外国製の携帯電話の場合、解析するのに4、5カ月かかる。調査委がいつ全貌をつかめるか全く分かっていない」との見通しを語った。さらに、全協会員を対象に行った八百長に関するアンケートで、6人が「過去に八百長を見聞きしたことがある」と回答したことを明らかにし、6人から事情を聴く方針を示した。
一方、警視庁が押収したメール記録などで名前が挙がった14人以外にも、八百長に関与した疑いのある力士がいるとみられることが調査で浮上したが、放駒理事長は「報告は受けていない」とした。調査委の村上泰委員(弁護士)は「具体的な疑惑を持っていると判断するものは現在のところないが、14人に限られていると判断しているわけではない。当然14人以外にもいるかいないか調査の対象になる」と話した。
理事会では、調査委が八百長関与を認定した4人に対する処分は出なかった。処分が出るまで支給される給与を保留するかどうかについての検討もなされなかったが、放駒理事長は「できれば、そう(給与を辞退するよう)願っている」と語った。【大矢伸一、町田徳丈】