2011年2月14日 11時31分 更新:2月14日 12時32分
内閣府が14日発表した10年の日本の名目国内総生産(GDP)は、国際比較で用いられるドル換算で5兆4742億ドル(479兆2231億円)となり、中国が既に発表した10年の名目GDP5兆8786億ドル(39兆7983億元)を下回って、世界3位に転落したことが確定した。日本は1968年に当時の主要指標だった国民総生産(GNP)で旧西ドイツを抜いて米国に次ぐ「世界2位の経済大国」の地位を守ってきたが、43年ぶりにその座を明け渡した。
中国は01年の世界貿易機関(WTO)加盟を機に「世界の工場」として存在感を高めた。過去10年間は年10%前後の高成長を続け、名目GDPは約5倍に伸びた。09年の名目GDPは日本が5兆420億ドル、中国が4兆9905億ドルだった。
デフレや人口減でGDPが伸び悩む日本に対し、中国が今後も差を広げるのは確実と見られ、内閣府の推計では、25年ごろには中国は米国も抜いて世界最大となる見通しだ。ただ、中国の人口は約13億人と日本のほぼ10倍で、10年の中国の1人当たり名目GDPは日本の10分の1程度にとどまる。【山本明彦】