エジプト:ツタンカーメン副葬品が盗難 混乱に乗じ略奪

2011年2月14日 10時53分 更新:2月14日 11時31分

盗難に遭ったアメンホテプ4世の石灰岩像=ロイター
盗難に遭ったアメンホテプ4世の石灰岩像=ロイター

 【カイロ樋口直樹】大規模な反政府デモが続いたエジプトの首都カイロのエジプト考古学博物館から、「黄金のマスク」で有名な古代エジプト王ツタンカーメンの副葬品など18点が盗まれていたことが13日、分かった。ザヒ・ハワス文化財担当国務相が発表した。博物館は先月末に盗難に遭ったが、被害の全容が明らかになったのは初めて。

 盗難に遭ったのは、女神に担がれたツタンカーメン像や、魚に銛(もり)を打ち込むツタンカーメン像の一部など。いずれも金箔(きんぱく)を施した木製品で同王の代表的な副葬品。また、ツタンカーメンの父でエジプトに一神教を導入しようとした異端の王アメンホテプ4世の石灰岩像など、極めて貴重な文化財も盗まれていた。

 ツタンカーメンは紀元前1300年ごろに在位。若くして死去したといわれる。1922年にエジプト南部ルクソールの「王家の谷」で発掘された墓からは、王のミイラにかぶせられた「黄金のマスク」をはじめとする美しい副葬品の数々が発見された。盗掘を免れた王墓は極めて珍しい。

 エジプト考古学博物館は、反政府デモの拠点だったタハリール広場に面している。AP通信によると、デモ隊と治安警察が激突した先月28日、混乱に乗じて少数の略奪者が博物館の非常階段で屋上に上り、ガラス張りの天井を破ってロープで館内最上階に侵入したとみられている。

 ハワス国務相は「略奪者の捜査を既に開始した」と述べた。考古学博物館は現在閉館中で、兵士らによる警備が続いている。

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