東電、需給調整契約を拡大 夏の計画停電最小化目指す
2011/04/01
東京電力は深刻な電力不足が予想される夏に向けて、需給調整契約の拡大に取り組む。同社は現在、随時調整契約と計画調整契約を合わせ、240万キロワット程度の需要抑制規模を有する。不祥事で原子力発電所17基すべてが停止した03年夏当時の280万キロワット程度を目安に、工場など大口顧客への働きかけを強めていく。節電の呼びかけと合わせ、「夏の計画停電の最小化を計りたい」(村松衛執行役員・企画部長)考えだ。
需給調整契約は工場など電気を大量に使用する顧客に対し、電力需給が逼迫した際に消費を抑えることを求める契約。緊急的に操業の停止を求める「随時調整契約」のほか、あらかじめ休日などに操業を振り替えてもらう「計画調整」もある。
契約者は操業の振り替えや一時停止などの見返りとして、平常時の電気料金の割引を受ける。電気の使用の抑制の度合いや、通知から実行までの時間に応じて割引率が変わる。
東電は現在、随時調整で約700件、需要抑制規模110万キロワット程度、計画調整で約3200件、需要抑制規模130万キロワット程度の契約を有する。合計の需要抑制規模は240万キロワット程度。
東北関東大震災による主力発電所の被災により、今夏の東電の供給力は最大でも5千万キロワット程度にとどまる見通し。一方、需要は節電などの効果を見込んで昨年実績の6千万キロワットを500万キロワット程度下回ると想定しているが、夏季を通じて需要が供給力を上回る電力不足が予想される。
東電では政府と連携しながら、広く節電を呼びかけることに加え、需要のピークを抑制する効果を持つ需給調整契約の拡大を図る。ピーク抑制に即効性がある随時調整のほか、計画調整も含めて、03年夏当時の280万キロワット程度を目安に、契約拡大に取り組む。
随時調整契約は、近年では新潟県中越沖地震で柏崎刈羽原子力が被災し、需給が逼迫した07年8月に、15万~20万キロワット規模で需要抑制に寄与した。東北関東大震災が発生した3月には約3年半ぶりに、110万キロワット規模で需要抑制を実施している。 (本紙1面より)
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