2011-04-04 20:00:00
ryobaloの投稿
大学より刑務所
テーマ:ブログ
Americaの刑務所や黒人事情について書きたいと思います。
Americaの刑務所は、ゲトーの住人には馴染み深い存在です。
現在、全米で88万人の黒人男性が刑務所に収監されていて、言い換えると黒人男性100人につき4.7人となります。
Hispanic(Latino)男性1.8人、白人男性0.7人と比べると、その差に驚きますよね。
さらに保護観察期間の者を加えると、なんと280万人もの黒人男性が、法の監視下に置かれていることになります。
対して現在、大学または大学院に在籍中の黒人男性は105万人。
この数字自体は塀の中にいる88万人を上回りますが、黒人男性大学生の卒業率は入学者数の35%と異常に低いんです。
したがって大卒者より前科をもつ者のほうが遥かに多い計算になります。
そもそも黒人は高校中退率が高いです。
特に都市部の男子に限ると、NY市の68%など、これも異常な数字となります。
Americaでは年齢よりも学歴と職歴が、収入にDirectに反映します。
高校中退者の平均年収は23,000ドル(189万円)、
高卒30,000ドル(246万円)、
大卒52,000ドル(426万円)、
院卒62,000ドル(508万円)、
と出てます。
『君は高卒だけど、優秀だから昇進させよう』
は、まずあり得ず、
『昇給したければ大学に行って学位を取って来い』
となります。
まして高校中退の、特に黒人男子であれば、そもそも就職は無理と考えたほうがいいんです。
雇用側にしてみれば、
『ゲトーのとんでもなく程度の低い学校に行きながら卒業もできなかったTeenagerなど、能力もなければ、信用もできない』
となります。
ゲトーにある学校は、高校は言うに及ばず、小学校の段階から極端に教育環境が悪く、子供たちは満足な基礎教育を受けられません。
その結果、Slangを駆使し、Rhythmとウィットに富んだStreet Talkを繰り広げるTeenも、作文を書かせると小学生並みであることが少なくないんです。
昨年のNY州での学力テストの結果、読み書きが学年相応レベルの生徒は5割、数学は6割と出てます。
ゲトーの生徒に限ると、その数値はさらに低くなります。
話を就職に戻しますが、高校をDropoutしたTeenは、就職が不可能であることを自覚しています。
ゆえに母親の堪忍袋の緒が切れるまではブラブラするか、または既にDrug Dealeringを始めてる友達の紹介によって犯罪業界に「就職」します。
中には、小学校高学年あたりからDealerの使い走りを始めて、15~17歳で一人前となって、晴れて学校を辞める「キャリア組」すら存在します。
いずれにせよ犯罪行為に加担してる以上、やがては逮捕、刑務所行きとなります。
刑期を終えて出所しても、学歴の欠如に前科が加わり、金輪際まともな職は得られないことになります。
彼らはStreetに戻り、やがて再逮捕されます。
NY市やCalifornia州では、出所者のうち65%~70%が3年以内に刑務所に舞い戻るとされてます。
※ゲトーとは、スラム街、大都市内の少数民族居住地のことです。
また、都市部から外れたスラム街や黒人の貧民街を指して使うことも多く、以下のAKON(エイコン)の曲『ゲトー』は『黒人貧民街』の暮らしを歌っています。
ただ、『ゲトー』は時に「素晴らしい!」「イカシタ」という意味になる場合があります。
(動画)

