●容疑2組員逮捕
2日夜に福岡県大牟田市で指定暴力団九州誠道会(同市)系組員2人が殺傷された事件で、県警は4日、事件直前に近くのスナックで同会幹部を殴った傷害の疑いで、同市岬、鉄筋工黒田正美容疑者(44)を逮捕した。また、同日午前1時50分ごろ、黒田容疑者宅の向かいにある民家のブロック塀に火炎瓶が投げつけられる事件があった。県警は、現場近くで誠道会系組員2人の身柄を確保し、火炎瓶処罰法違反の疑いで逮捕した。スナックでのトラブルが殺傷事件と火炎瓶事件の原因になったとみている。
県警によると、殺傷事件を受け黒田容疑者宅付近を警戒中の捜査員が、民家のブロック塀が燃え上がるのを発見。組員2人が現場から車で逃げたが、別の捜査員が約9キロ先で身柄を確保した。民家は塀が黒く焼け焦げ、付近にガラスの破片が散乱したが、就寝中だった住民にけがはなかった。
黒田容疑者の逮捕容疑は2日午後11時半ごろ、同市大正町1丁目のスナックで、ほかの男3人と共謀し、店内にいた住所不定、九州誠道会系組幹部(40)たち5人と口論になり、組幹部の顔を焼酎の瓶で殴るなど暴行を加え、けがを負わせた疑い。
県警によると、この組幹部が組員2人を呼び出して店を出たところ、数百メートル離れた同市内の路上で黒田容疑者たちともみ合いになり、組員2人が刺され、1人が死亡、1人が重傷を負った。黒田容疑者は、傷害容疑について「(ほかの男3人を)加勢するつもりだった」と話している。県警は殺人容疑でも調べる。
火炎瓶事件で逮捕されたのは、大牟田市八江町、九州誠道会系組員下部裕(35)と大牟田市笹原町3丁目、同田嶋勇二(31)の両容疑者。
=2011/04/04付 西日本新聞夕刊=