政治

文字サイズ変更

統一地方選:自民、民主政権に距離感 「大連立」に影響も

 統一地方選で与野党対決型となった首長選の中盤情勢は、東日本大震災を受け民主、自民両党で再燃した「大連立」の行方にも影響を与えそうだ。選挙戦に手ごたえを強める自民党では「菅直人首相の退陣が大連立の条件」という強硬論が勢いを増している。一方、民主党は「支持率が低迷した大震災前と、状況が変わっていない」(選対幹部)とショックを隠せない。

 自民党の石破茂政調会長は3日、中盤情勢について「自民党への期待は着実に高まっている」と評価した。自民優位の選挙情勢を見る限り、震災後も民主党の党勢は十分回復しておらず、閣僚経験者は「菅首相との大連立にブレーキがかかる」との見方を示した。

 民主党の安住淳国対委員長は1日、11年度第1次補正予算案編成を巡り、自民党の逢沢一郎国対委員長に「自民、公明両党も一緒にやってほしい」と呼びかけた。補正編成段階から野党を巻き込み、将来の大連立につなげる狙いがあった。

 しかし、自民党には大連立への積極、慎重両論が混在し、与野党が対決する24日の統一選第2ラウンド終了までは表立った動きがとりにくい。選挙の結果次第では大連立慎重派が勢いづき、「谷垣禎一総裁を首相にしない限り、乗れない」(幹部)とハードルを上げる可能性もある。

 一方、民主党は「岡田克也幹事長の地元の三重県知事選で負けるようなら、政権への影響は大きい」(幹部)と危機感を強めている。岡田氏は3日、福島市内で記者団に「こういう状況で首相を代えることはあり得ない」と首相退陣論をけん制したが、小沢一郎元代表のグループからは統一選後をにらみ、首相責任論が強まっている。【野口武則、野原大輔】

毎日新聞 2011年4月3日 21時15分(最終更新 4月3日 23時04分)

 

おすすめ情報

注目ブランド