TRNSYS,COMIS
開発の背景
TRNSYS
TRNSYSは、1975年アメリカWisconsin大学の大学院生によるソーラーコレクター(太陽熱集熱器)の計算プログラムから始まりました。開発当初は、主にソーラーコレクターの計算プログラムでしたが、各国の研究者により豊富な各種のエネルギーシステムの要素モデルが組み込まれ、現在のバージョンでは全般的なエネルギーシステムの動的なシミュレーションを行うことができるようになりました。
また、TRNSYSは机上の理論だけでなく、実際に実験を行い、その結果との整合性を確かめ修正が加えられ、発展してきました。国際エネルギー機関(IEA)が行う、シミュレーションソフトのテスト(BESTEST)においても、事実上の基準となっています。
そのような世界標準のシミュレーションソフトであるTRNSYSは、DOE-2(Lawrence Berkeley Lab)やHVACSIM+(米エネルギー省)などのシミュレーションソフトの下敷き、あるいはEnergy+(Lawrence Berkeley Lab)のエンジンなどにも使われています。
現在、TRNSYSはWisconsin大学のSEL(Solar Energy Laboratory)で基本部分の開発やメンテナンスが行われています。
<TRNSYSのシミュレーション画面>
COMIS
COMISは、換気量とそれに伴う空気質の変化を予測するためのツールです。 COMISは、1988-1989年の1年間の国際ワークショップ(Lawrence Berkeley National Laboratory, LBNL)で開発が始まりました。その後、1990-1996年におけるIEA(国際エネルギー機関)のANNEX23(Multizone Air Flow Modeling)において、COMISの開発が進められました。日本からは東北大学の吉野博教授、仙台高等専門学校の内海教授が参加しておりました。 COMISは現在、EMPA(スイス)において基本部分の開発やメンテナンスが行われています。
COMISはTRNSYSと同じくIEAが行うシミュレーションソフトの検証(BESTEST)において、換気計算ソフトにおける標準となっています。 現在、IEAによるANNEX43においてBESTESTの検証用テストケースが作成中ですが、換気ソフトについては内海教授がリーダーとなって進められています。
<COMISのシミュレーション画面>