世界最大級の米コンクリートポンプ車が福島へ

2011.04.02 Sat posted at: 15:45 JST

アトランタ(CNN) 東日本大震災による東京電力の福島第一原子力発電所の事故で、米国のコンクリート関連業者は2日までに、地上70メートルの高さからの注水操作が可能な世界最大規模のコンクリートポンプ車を現地に向けて空輸する準備を進めていると述べた。

このポンプ車の重さは約86トンで、米南部サウスカロライナ州サバナ川での作業現場から同州ハナハンに移され、世界最大規模の輸送機とされるアントノフ225型機に積まれて福島へ向かう。米エネルギー省はこのポンプ車をジョージア州南東部にあり使用済み核燃料も処理する混合酸化物燃料工場の建設現場などで使ってきた。

サバナ川での事業でこのポンプ車を使用しているコンクリート業者によると、ポンプ車は巨大なため道路利用許可などでの手続きを今週末をめどに終え、アトランタに運ばれて来週金曜日までには福島へ向けて出発する。

車両を提供する事業者は、福島第一原発での使用方法についての情報はないとしながらも、放射線量の拡散が懸念される原子炉や使用済み核燃料プールへの注水に使われるだろうとの見通しを示した。70メートルのアームは遠隔操作が可能で、遠く離れた場所にピンポイントの注水が出来る。事故現場では既に各国から提供された大型ポンプ車が給水支援を実施している。

米国から今回送られるポンプ車はドイツのプッツマイスター社製造で、通常は橋や高層ビル建設に使われる。同社の公式サイトによると、福島原発事故の復旧作業を支援するため東南アジア諸国にある別のトラック積載型のコンクリートポンプ車を事故現場へ向かわせている。また、米ロサンゼルスにある同社製のより小型のポンプ車を日本へ輸送する準備も進めている。

1986年にウクライナのチェルノブイリ原子力発電所で発生した事故の際は、同社製のコンクリートポンプ車11台が使用され、放射性物質の飛散拡大を防ぐために原子炉などが大量のコンクリートによる石棺で覆われた。

ワシントンでは1912年に日本からやってきた桜が見頃を迎えた。今シーズンは東日本大震災の復興支援に向けた取り組みも行われている

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