その意味で、きちんと震災後のニーズに焦点を合わせられた会社は、これからの3ヵ月間、顧客リストを集めるには、結果として非常に有利な時期になろう。
たとえば、人材派遣会社が医療従事者を集めようにも平時ならなかなか大変だが、「ボランティア募集! 資格を持つあなただからこそできる仕事があります」と募れば、ほとんど広告費をかけないで集めることさえ可能な状況だ。
一方、火事場泥棒的な、あくどい商売も多数、現れている。この期に及んでも利害関係で、平時の価格で売れ残ったものを、被災者に提供したりする会社もあるし、それに行政がまんまと手を貸していることもよくある。
しかしそんな意図は、ソーシャルメディアが行き渡った現在、おそらくみえみえで、そうした自分の利害しか考えない組織は、急速に淘汰されることを望みたい。
現在、多くの企業広報の典型的な表現は、「被災地の1日も早い復興をお祈りしています」だ。こんな、祈っているだけの企業は、もはや顧客に捨てられるだろう。
祈っているだけなら、幼稚園児にだってできる。
責任ある大人が祈っていて、どうするんだ、と言いたい。
日本人はこれから思いやりや優しさを持ち、お互い支え合って、数々の大転換を実践しなればならない。
祈りではなく、行動。鍬をもって、働きなさい。
こうした「奇跡の復興の10年」の過程を全世界が見ている。
日本人が次の時代をつくる。
人類の新しい歴史のページを開くという大きな仕事を成し遂げていく使命になるだろう。
被災地とそれ以外で大きく異なる“言葉の温度”
いま、ソーシャルメディアをどう使ったらいいのか?
――大震災では、ソーシャルメディアが安否確認や情報提供などの面で大きな役割を果たした。ただ一方で、根拠のないデマが広まったりするなど負の側面も。今後、ソーシャルメディアを社会インフラとして正しく使いこなすには、どのような点に気をつけるべきでしょうか?