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女川、復旧計画立たず 一部設備浸水、点検 東北電力

 東北電力は、東日本大震災で全3基が自動停止した女川原発(宮城県女川町、石巻市)の設備被害について確認を進めている。原発の敷地は海面から14.8メートルの高さにあり、直接の津波到達はなかったとみられる。冷却機能は正常に作動し、原子炉は安定的に停止している状態。ただ浸水など詳細な点検が必要となった設備があるため、復旧計画は決まっていない。

<冷却系正常に>
 女川原発は過去最大の津波を9.1メートルと想定して設計された。潮位計の不具合で実際の高さは不明だが、「敷地まで押し寄せた跡はない」(原子力部)という。
 東京電力福島第1原発では、送電線からの給電が止まった上に、非常用電源も津波などで使えなくなったことが重大な事態を招いた。
 東北電によると、女川原発では送電線の電力供給に問題はなく、原子炉を冷却する系統は正常に働いている。

<2、3号機浸水>
 地震による被害は、1号機の外部電源が使えなくなり、自動的に起動した非常用ディーゼル発電機の電力を利用。受電のための変圧器の不具合が原因で、約11時間後に通常に戻った。
 2、3号機では、原子炉建屋内のポンプやモーターを冷やす冷却系に海水が浸入した。うち2号機は熱交換器室の設備も浸水。外部電源の給電で運転に支障はなかったが、非常用発電機3台のうち2台が起動しなかったといい、海水の浸入経路を調べている。
 ほかに1号機の暖房などに使うボイラー用の重油タンクが倒壊。原子炉建屋などで約20カ所の水漏れも見つかった。

<567.5ガルを記録>
 地震計は、揺れの強さを示す最大加速度が567.5ガルを記録。基準地震動の最大加速度(580ガル)を下回ったが、詳細な解析結果次第では耐震安全性の論議に発展する可能性もある。
 東北電は「原子炉は速やかに100度未満の冷温状態にできた。津波対策は機能したと考えるが、より詳細に被害を点検し、復旧、補修計画を立てたい」と話している。


2011年03月21日月曜日


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