Win32並行処理プログラミング入門33

 この記事は、Win32並行処理プログラミング入門32の続きです。前回はcoutの様なグローバルオブジェクトを、実務的な並行プログラミングで使用してはならない理由を詳細に解説しました。今回は、スレッドのスケジューリングを解説します。
早速ですが、論よりサンプルプログラムです。

#include <iostream>
#include <windows.h>
#include <tchar.h>
#include <process.h>
using namespace std;

//鳥の発言
unsigned __stdcall PiyoFunc( void* pvParam ) 
{
    for ( ; ; ) {
        cout << " ピヨ " ;
        SwitchToThread();
    }
    return 0;
}

//猫の発言
unsigned __stdcall NyaFunc( void* pvParam ) 
{
    for ( ; ; ) {
        cout << " にゃ〜 "; 
        SwitchToThread();
    }
    return 0;
}

//にゃんぴよ会議開催
int _tmain( int, _TCHAR* )
{
    const int threadCount = 2;
    HANDLE hThreads[ threadCount ];

    //ピヨスレッドを作成する
    hThreads[ 0 ] = reinterpret_cast< HANDLE >( 
        _beginthreadex ( 
            __nullptr,
            0U,
            PiyoFunc,
            reinterpret_cast< void * >( ( INT_PTR ) 0 ) ,
            CREATE_SUSPENDED, //直ぐには実行しない
            __nullptr ) );

    //にゃ〜スレッドを作成する
    hThreads[ 1 ] = reinterpret_cast< HANDLE >( 
        _beginthreadex ( 
            __nullptr,
            0U,
            NyaFunc,
            reinterpret_cast< void * >( ( INT_PTR ) 0 ) ,
            CREATE_SUSPENDED, //直ぐには実行しない
            __nullptr ) );
    
    //強制的に終わらせるためmain関数の優先順位を高くする
    SetThreadPriority( 
        GetCurrentThread(), 
        THREAD_PRIORITY_TIME_CRITICAL );

    //作成したスレッドを実行
    for ( int i = 0; i < threadCount; i++) {
        ResumeThread( hThreads[ i ] );
    }

    //タイムアウト時間をミリ単位で指定して待機
    //※指定した時間は正確ではありません
    DWORD result = WaitForMultipleObjects( 
        threadCount, hThreads, TRUE, 200 );

    //WaitForSingleObject関数が終了した原因を表示
    unsigned int max = ( WAIT_OBJECT_0 + threadCount - 1 );
    if ( result == WAIT_FAILED ) { 
        //エラーを表示する
        DWORD error = GetLastError();
        LPVOID title = _T( "エラー" );
        LPVOID msg;
        FormatMessage( FORMAT_MESSAGE_ALLOCATE_BUFFER |
                FORMAT_MESSAGE_FROM_SYSTEM |
                FORMAT_MESSAGE_IGNORE_INSERTS,
            __nullptr,
            GetLastError(),
            MAKELANGID( LANG_NEUTRAL, SUBLANG_DEFAULT ), // 既定の言語
            reinterpret_cast< LPTSTR >( &msg ),
            0,
            __nullptr
        );
        MessageBox( __nullptr, 
            reinterpret_cast< LPCTSTR >( msg ) , 
            reinterpret_cast< LPCTSTR >( title ), 
            MB_OK | MB_ICONERROR );
        LocalFree( msg );
        return -1;
    } 
    if ( result == WAIT_TIMEOUT ) {
        cout << "【時間切れワン。本日の会議は終了するワン。】" << endl;
    } else if ( ( result >= WAIT_OBJECT_0 ) & ( result <= max ) ) {
        cout << "全スレッドの処理が終わりました。" << endl;
    } 
    cout << endl;

    //ハンドルを閉じる
    for ( int i = 0; i < threadCount; i++ ) {
        CloseHandle( hThreads[ i ] );
        hThreads[ i ] = __nullptr;
    }
    cout << endl;
    return 0;
}
<\code>
このサンプルは、猫と鳥が会議している様子を表しています。スレッドのスケジューリングに関する関数を使用しています。ちなみに、進行役は犬が勤めています。次回このサンプルを用いて、Windowsにおけるスレッドのスケジューリングおよび、スレッドスケジューリングに関するWin32APIを解説します。続く...

テーマ : プログラミング
ジャンル : コンピュータ

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コンニチハ。

ボクは、無限の夢(infinity dream)を持つネタ好きな虹色の鳥インドリ(in dre)です。
色々な情報処理技術を啄ばむから楽しみにしてね。

http://twitter.com/indori
は別人による嫌がらせ行為です。
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