(cache) 汚染水拡散防止にフェンス 福島第1原発事故 - 47NEWS(よんななニュース)
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     3月16日午後に撮影された福島県の東京電力福島第1原発4号機(同社提供)

     福島第1原発事故で高濃度の放射性物質の汚染水が海に流出している問題で、経済産業省原子力安全・保安院は4日、汚染水が広がるのを防ぐため、流出が判明している作業用の穴(ピット)付近の亀裂がある2号機取水口の前にフェンス設置を検討していることを明らかにした。

     保安院は、汚染水がほかの経路で流出している恐れもあるため、ピット周辺の地面に薬剤を注入して固めるなど、水を通りにくくする対策の検討も開始。入浴剤で水に色をつける手法で流出経路調査なども進めたが、放射性物質を含む水が大量に流れ出る状況を前に、手探りの対策が続いている。

     枝野幸男官房長官は記者会見で「汚染水が海に流れ続けている状況はできるだけ早く止めなければならない」と述べた。

     海に設置するフェンスは「シルトフェンス」と呼ばれ、海面の浮きから下部に重りのついたカーテンを海底付近までつり下げる。汚染水が外側に流出しない効果が期待される。放水口付近で観測されている海水汚染とかかわっているとみられる4号機前の堤防が傷んでいる場所にも設置する方針。「一刻も早く実施したいが、数日はかかる」(保安院)としている。

     一方、東京電力は4日午前7時すぎ、2号機のピットにある汚染水の出元を調べるため、高濃度の汚染水があり、横穴を通じてピットにつながっているタービン建屋近くの立て坑に、乳白色の粉末の入浴剤約13キロを投入した。だが、午前11時になっても着色水は亀裂から出ておらず、東電は汚染水が別の経路で供給されている可能性もあるとみている。

     建屋内の汚染水の除去作業と併せ、原子炉内への注水も継続。冷却機能回復に向けた作業も引き続き進める。

      【共同通信】