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【芸能・社会】

長渕 魂の散文詩 9局タッグ!ラジオ番組

2011年4月4日 紙面から

 ミュージシャンの長渕剛(54)が東日本大震災復興支援のためのラジオ番組「長渕剛 RUN FOR TOMORROW〜明日へ向かって〜」を企画・発案し、被災地を中心としたFM局など9局で7日から順次放送される。第1回分の収録が3日、都内で行われ、長渕は冒頭約6分にわたって「復興」と題した散文詩を朗読。多数の尊い命を奪った海への怒りや、被災者たちの折れない心やきずななどを声に乗せ、被災者へ強烈なエールを送った。

 「俺みたいな人間がしゃしゃり出て、失礼極まりないのは謝っておく。でも(震災はひとごとではなく)自分のことだから。声を届けたいと思ったし、(被災者の)声を聞きたいと思った」

 そんな長渕の心の叫びを受け止めた被災地のFM局やコミュニティーFM局が一致団結した。bayfm(千葉)の協力を得て制作された同番組は、FM岩手、FM仙台、FM福島など被災地を中心とした9局でスタートする。系列局の垣根を越えた番組放送は史上初となる。

 2003年のニッポン放送「オールナイトニッポン フライデースペシャル」以来8年ぶりのラジオのレギュラー番組。その冒頭で長渕は沸き上がる感情の全てをぶちまけた散文詩をゆっくりと静かに朗読し始めた。

 憎い 憎い 私は 自然が憎い

 憎い 憎い 私は 海が憎い

 たわむれ 優しく 大きく 父のような海だったのに

 恐くて憎くて たまらない 許せない 絶対に許さない

 こんなに あなたを 愛して 生きてきたのに

 なぜ 海よ あなたは 私たちを壊す?

 なぜ 何もかも奪い去る? なぜ こんなにひどい事をする?

 何もかも濁流にのみ込んだ巨大津波。どうすることもできず、尊い命を奪った海に対し、長渕はまず「あなた」という言葉を使って怒りを表現した。

 だが、どんなに絶望のふちに追いやられようと被災者たちは手を取り合い、必死で困難に立ち向かおうとしている。詩の中で長渕はやがて海の呼び方を「貴様」に変え、被災者の気持ちを代弁するかのように“決意表明”していく。

 はっきり言おう いいか 海よ 私たちは貴様から決して逃げはしない

 私たちは連帯という武器を今 首にかけ 静まりかえった貴様のふところへ 壊れた船であろうとも さらに両の手で漕いでいく

 私たち人間の力をみくびると ただではおかない そして さらに 私たちは強固な絆を結び まもなく立ち上がる そして叫ぶ

 家族を返せ! 友を返せ! 家を返せ! ふるさとを返せ! 犠牲になった命の破片を 高らかな怒りの帆に吹き付け 今 狩りに出かける

 長渕は、被災地で救護活動にあたる10歳代の若い自衛官たちの姿に感銘したという。散文詩の締めくくりは彼らへの敬意とともに、復興を目指す日本人の強さや誇りを筆に込めた。

 どんなにささやかでもいい 勇気ある小さな者たちを どんどんグングンたたえるのだ

 共に拳が上がったら 一目散に駆け上がれ 生存せよ!の方向へ駆け上がり 立ち向かうのだ

 たとえ それが自然という憎き相手でも 私たちは決してひるまない

 憎くても 怖くても 許せなくても それでも

 私たちは あの場所を

 この国を 愛してやまないのだから

 この散文詩の全文は、4日から長渕の公式ホームページで公開される。

 

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