日豪EPA:コメは除外 牛肉など4品目焦点

2011年2月10日 21時21分 更新:2月11日 0時34分

 日本とオーストラリアの経済連携協定(EPA)締結に向けた事務レベル交渉が10日、4日間の日程を終えた。豪州側は、コメの例外扱いを事実上、容認する一方、牛肉、乳製品、砂糖、小麦にかかる関税の撤廃を強く要求。これら4品目の例外扱いを求める日本側との議論は平行線をたどった。

 豪州は、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉の主要参加国。日豪EPAで、コメの例外扱いを盛り込んでおけば、TPP交渉の際の参考事例とされ、コメ除外が認められる可能性も出てくる。

 ただ、豪州のコメ生産はここ数年、干ばつの影響で低迷。07~09年度の3年間は、日本への輸出実績がなかった。そのため、豪州のコメ除外容認について日本政府の交渉担当者は「コメに関心を持たないオーストラリアが除外を認めたからといって、TPPにそのまま適用されるわけではない」と指摘。「日本が778%の高関税で守るコメで譲歩する代わりに、牛肉など4品目の自由化に全力を挙げてくるはず」との見方を示した。

 両国は4月にもキャンベラで次回会合を開く予定。だが、自動車向け関税(5%)の撤廃を求めている日本に対し、豪州側は「4品目の自由化が前提」との姿勢を貫いており、農畜産物を巡る両国の溝が埋まる兆しはまったく見られない。【増田博樹、立山清也】

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