2011年2月9日 19時44分 更新:2月9日 19時45分
さまざまな細胞になる人工多能性幹細胞(iPS細胞)から、ヒトの生殖細胞を作る慶応大などの研究計画を、学内の倫理委員会が承認していたことが9日、分かった。今後、文部科学省に届け出た後、研究を始める。実施されれば、昨年5月に国内でiPS細胞などをもとにヒトの生殖細胞を作る研究が解禁されてから初の着手となる。
研究計画は、慶応大の岡野栄之教授と、加藤レディスクリニック(東京都)が、iPS細胞を精子や卵子などの生殖細胞に分化させる方法や、生殖機能の仕組みを探る目的で申請。慶応大のヒトiPS細胞などに関する生命倫理委員会などが審査した。同委員会は、iPS細胞から分化した細胞の保管管理を徹底し、研究場所を慶応大に限ることなどを条件に承認した。
文科省の指針は精子や卵子の作成に成功しても受精させることを禁じている。【須田桃子】