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◆焦点:出口見えない福島原発危機、解決には数十年か
2011年03月31日18時36分 ロイター
[ニューヨーク/ワシントン 30日 ロイター]
巨大地震と大津波で被災した東京電力<9501.T>福島第1原子力発電所からの放射能汚染が広がる中、一段の深刻化を防ぐため現場で対応に追われている作業員らは、悪夢のようなシナリオに直面している。
あらゆる取り組みは生命の危険を伴い、福島原発危機が最終的に収束するには数十年かかる見通しだ。
専門家らは、それまでに多くの挫折や失敗、恐ろしい局面を迎える可能性があると指摘。
現時点では、金銭的なコストや作業員らが健康面で被る代償がどれほどのものになるのか、予想すらおぼつかない。
30日に記者会見した東京電力の勝俣恒久会長は、深刻な状況が続く福島第1原発1─4号機は「客観的に考えて廃炉にせざるを得ない」と言明。
しかし、燃料棒の多くは依然として非常に危険な状態が続いており、廃炉までには長時間を要するとみられる。
差し当たっては原子炉内への注水作業を継続し、使用済み燃料棒プールの高温化を防ぎつつ、冷却装置の復旧に取り組まなくてはならない。
楽な選択肢はどこにもない。
原発産業に30年近く携わっているフェアウィンズ・アソシエーツのチーフエンジニア、アーニー・ガンダーソン氏は「彼らは原子炉に水を入れては流す状態(feed and bleed)に陥っている」と指摘。
冷却装置が正常に稼働しない限り、容器内の圧力低下には放射性物質を含んだ蒸気を外に逃す必要があるが、蒸気が出ればさらに水を供給しなくてはならない。
放射性物質を含む水の一部は、地震やその後に起きた水素爆発で損傷を受けた可能性がある原子炉や格納プールからも流れ出ている。
汚染水は原子炉内外の予期せぬ場所から見つかっており、そのことが、作業員の原発修復作業を一層困難なものにしている。
<原子炉冷却と汚染水漏出防止の綱引き>
世界各地で環境や安全対策の強化を提言している非営利団体「憂慮する科学者同盟(UCS)」のエド・ライマン氏は「原子炉の冷却と汚染水の管理という相反する問題が存在している」と指摘する。
東京電力は28日、汚染水の漏出を最小限に食い止めるため、2号機への注水量を半分に減らしたが、結果的に、原子炉内の温度上昇を招いた。
米原子力規制委員会(NRC)の元委員長で、現在はカーネギー研究所の所長を務めるリチャード・メザーブ氏は、ロイターの取材に「核燃料を冷やすために注水は継続しなくてはならないが、一部で水は漏出しており、建物内の汚染が広がっているため作業員が中に入るのは難しくなっている」と述べた。
放射性物質で汚染された水を原子炉内にとどめておくことは、周辺環境への汚染拡大を食い止めるためには死活問題。
国際原子力機関(IAEA)は30日、福島第1原発から40キロの村で、避難基準を超える放射性物質が観測されたことを明らかにした。
また、同原発ではこの日、近くの海水からこれまでで最も高い濃度の放射性物質が検出された。
第1原発1─3号機では、タービン建屋外の「トレンチ」と呼ばれるトンネル状の構造物からも放射能を帯びた水が見つかっている。
東京電力はトレンチに貯まった水を復水器と呼ばれる設備に移す計画だが、そのためには復水器に入っている水を空にしなくてはならない。もし汚染水を貯めて処理することがうまくできなければ、海に流れ出てしまう危険がある。
<海水から高濃度の放射性物質>
汚染水が太平洋に流れ出ることは誰も望んでいないが、福島第一原発周辺の海水からはすでに、国の基準の3000倍を超える放射性物質が検出されている。
ただ専門家の多くは、現在原発周辺で濃度が高まっている放射性物質は、少なくとも海水で希釈されるとの見方で一致している。
フランス原子力安全当局(ASN)のアンドレ・クロード・ラコステ会長は、汚染水処理の別の選択肢として、新たな格納方法を見つけるか、「海に廃棄する」ことも可能性として挙げている。
福島第1原発は大地震と津波に襲われてから約3週間が経ち、一部で電気の供給が回復するなど光も見え始めたが、修復作業の進展を邪魔する放射能汚染を封じ込める有効な手立てにはまだたどり着いていない。
<さらに難しい選択肢を迫られる可能性>
これまでのところ、福島第1原発の復旧をあきらめて廃棄するという思い切った措置を求める声は目立っていない。
それはつまり、日本が同原発からの長年にわたる放射能漏れを受け入れることも意味する。
UCSのエド・ライマン氏は、今の段階で作業員らは「置かれた状況で最善を尽くしているが、状況はますます困難になりつつあり、簡単な出口はなくなりそうだ。
さらに難しい選択肢を迫られるかもしれない」と指摘する。
JPモルガン証券のイェスパー・コール株式調査部長は、福島第1原発危機の継続は日本経済に打撃を与え続けるとし、「最悪のシナリオは、それが1─2カ月や半年では済まず、2年もしくはいつまでも続くことだ」と語っている。
◆40キロ圏土壌に放射性物質、日本政府は監視強化−「再臨界」はない(2)
2011/03/31 18:52 ブルームバーグ
3月31日(ブルームバーグ):東京電力福島第一原子力発電所から40キロ圏にある飯館村で避難基準を超す放射性物質が検出されたとの報告を受けて日本政府は31日、土壌監視を強化する方針を打ち出した。
避難指示地域外の土壌に放射能汚染が広がった可能性ある。
枝野幸男官房長官は会見で、国際原子力機関(IAEA)の報告で土壌放射線量を精緻にモニタリングする方針を示した。長期間いると蓄積で健康被害の可能性がある放射線量だとして、避難地域をすぐに拡大するものではないとした。
IAEAは30日、福島県飯館村で避難勧告基準の約2倍の放射性物質が見つかったとして、日本政府に慎重に状況を把握するよう助言した。
日本政府は現在、原発20キロ圏内に避難指示、20−30キロ圏には屋内退避を指示している。
飯館村はこの外側の地域に位置している。
避難指示は在日米国大使館が16日、50マイル(約80キロメートル)以内に住む米国人に避難・屋内退避の勧告を出した。
米原子力規制委員会(NRC)の分析を受け日本政府よりも広範囲に避難勧告を出した。
原発から30キロ圏の住民について政府は、健康診断を実施することを検討している。
枝野官房長官は、健康被害の恐れはないと思っていると前置きした上で「当事者にとっては大変、不安であろうと思いますのでできるだけそうした不安におこたえできるような検討はしている」と述べた。
東電の武藤栄副社長は会見で、IAEAのデータについて「詳細は聞いていない」と述べた。
枝野官房長官がIAEA報告をめぐり避難地域をすぐに拡大するものではないとの判断を示したことについては「長期にわたるといろいろな可能性がある」と述べた。
○再臨界は考えにくい
IAEAは福島第一原発について「再臨界」の可能性もあるとみて分析作業を進めていることも明らかにした。
再臨界は、原子炉内で核分裂による連鎖反応が継続している臨界が停止した後、何らかの理由で核分裂が再び始まり制御できない状態。
経済産業省原子力安全・保安院の西山英彦審議官は会見で、再臨界の可能性はないとの見方を示した。
「必要なところにホウ酸を入れ、冷却も行っている」として予防措置を取っていることを示した。
保安院はまた福島第一原発の南放水口付近の海水から基準値の4385倍に当たるヨウ素131を計測したと発表した。
ヨウ素131については30日、3355倍を検出したと発表しており、濃度が上昇したことになる。
再臨界については東電も会見で「原子炉は停止しており、こうした中での再臨界は考えにくい」と説明した。
枝野官房長官も、あらゆる可能性を否定できないことは共有していると前置きして「そうした事態が生じているという明確な兆候があるわけではないということも言って頂いている」と認識に大きなずれはないと強調した。
○仏大統領
菅直人首相はこの日、来日したフランスのサルコジ大統領と会談した。
会談後の共同会見で、仏大統領は、東電福島第一原発の事故への対応をめぐり、ロボットなど最新技術の提供を申し出るなどの協力を約束したことを明らかにした。
フランスからは東電と関係の深い原子力企業アレバのアンヌ・ロベルジョン最高経営責任者(CEO)も来日した。
アレバの原子力専門家2人が東電に派遣されており、汚染された水の処理などの対策を協議している。
菅首相はまた、民間で運営している日本の電力会社の在り方について聞かれ、言及は時期尚早と前置きしながら「この事故が収束した中で今後の電力会社の在り方も、存続の可能性も含めてどういった形になるのか、その時点での議論が必要になろうとこう思っている」と述べた。
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福島第1原発が、「原子炉冷却」と「汚染水漏出」というジレンマに陥ったまま、完全に”八方塞がり状態”である。
そうした中、IAEAによる調査にて「同原発より40キロ圏にある飯館村で避難基準の2倍の放射性物質を検出」という事実が判明したにも拘らず、国家権力(枝野)の下した判断は「今後、土壌放射線量のモニタリングをおこなうが、避難地域は拡大せず」である。
政府・官僚・東電ら「”原発利権”共同体」の連中は、一体、周辺住民の命をなんだと思っているのであろうか?
国家のとるべき行動は、半径40キロ圏以上の範囲にて、大至急、土壌の放射性物質濃度の測定をおこない、避難基準を超える地域の住民への避難勧告を直ちに発令することである。
”役立たず”枝野官房長官は、加えて「周辺住民への健康診断を実施」とのたまっているが、なんとも”唐突感”が否めない話であり、「”ご主人”アメリカ様のために”人体実験”を開始した」との疑念を抱かざるを得ない話である。
被災地にて支援活動をおこなっている兵士には素直に感謝しているが、アメリカの上層部の考える”トモダチ作戦”の本質は”火事場泥棒”であろう。
震災復旧にかこつけた地震被害や原発事故被害の「データ採取」がその最大の目的であることは自明であろう。
兎にも角にも、国民を放射能汚染に晒すという人の道に外れた判断を決行する国家権力は、もはや原発周辺住民を見殺しにしたも同然であると断じざるを得ない。
その一方で、これまた酷いのが東電である。
「仮病」で計画入院中の清水社長に代わり、陣頭指揮を執るべき武藤副社長が会見にて「IAEAのデータについて詳細は聞いていない」とは何たる無責任ぶりであろうか。
まるで他人事のようなこの態度は、断じて許されないものである。
東電については、今回の事故による多額の賠償請求により経営危機が囁かれているが、これを安易に「国有化」することなど決して許してはならない。
何故なら、ただちに国有化するということは、国民の血税で尻拭いすることに他ならないからである。
現会長・現社長ら経営陣は勿論のこと、歴代の経営陣すべての私財を没収することが先である。
更には、嘘の塗り固めを繰り返し、ここまで国民を危険に晒した罪で、刑事責任も問わねばならないであろう。
安易に国有化し、ほとぼりが冷めた頃に再度民営化などという、見え透いた”八百長劇”に、我々国民は乗せられてはならない。
こうなったら、戦後日本において、CIAと共に原発推進の中心的役割を果たしてきた正力松太郎・中曽根康弘とその”犬”渡部恒三・与謝野馨、そして経済産業省の官僚どもをトコトン吊るし上げにすべきであろう。
(正力は故人ゆえ不可能だが。。)
正力・中曽根が”計画犯”とすれば、小沢一郎叩きの際、あれだけメディアに露出し悪態をついていた”黄門”渡部恒三は、今回事故が起きた福島県への原発誘致を先頭を切って推進した”実行犯”である。
大手マスゴミは是非とも、”黄門”渡部を引きずり出して、原発誘致・推進についてコメントさせるべきである。
そして、こやつら全員を”国家反逆罪”で訴追すべきである。
ついでに、テレビ報道にて、連日のように「人体・健康への影響はない」といった無責任なコメントをしている”御用学者””御用評論家”にも職を辞してもらい、路頭に迷う人生を送らせるか、”原発奴隷””原発ジプシー”として原子炉の清掃業務を一生おこなってもらおうではないか。
※参考「極道マンガにみる『原発利権』の真相 〜”原発奴隷”の実態〜」
「記事中にある菅直人について何も触れないのか?」という声が聞こえてきそうであるが、人間、本当にその人間を見限ると、腹も立たず、ただただ無関心になれるものなんだなと我ながら実感している次第である。
敢えて言うなら、「国民のため、未来の日本や子供たちのため、潔く身を引け」の一言だけである。
と言ってる矢先に保安院も「飯舘村・避難不要」との報道が。。
以下に関連記事を転載する。
(転載開始)
<福島第1原発>飯舘村「避難不要」 保安院が被ばく量試算
毎日新聞 3月31日(木)20時57分配信
東京電力福島第1原発から約40キロ離れた福島県飯舘村で、国際原子力機関(IAEA)が測定した放射線レベルが同機関の避難基準を上回った問題で、経済産業省原子力安全・保安院は31日、独自に放射線による被ばく量を試算した結果、内閣府原子力安全委員会の避難基準の約半分にとどまったことを明らかにした。「直ちに避難する必要はない」としている。
文部科学省の簡易型線量計のデータを基に、震災以降の累積線量を試算した。その結果、同村周辺で最も線量が高い地点の累積線量は50ミリシーベルトだった。これは一日中屋外にいた場合の線量で、日常生活での累積被ばく量はこの半分程度と見ていいという。
原子力安全委の指標では、避難基準は実質的な累積線量が50ミリシーベルト以上。保安院は「一日中屋外で過ごすことは現実的には考えづらく、(水素爆発などが起きた3月中旬に比べて)時間当たりの放射線量も減少傾向にある」と強調した。
原子力安全委は31日の会見で「日本の避難の基準は、大気や空中の浮遊物、飲食物の放射線量など、人体への直接的な影響を判断できる数値で決めている。IAEAは、草の表面のちりの放射能を測定しており、日本の基準の方がより正確な評価ができると考えている」と話した。【江口一、永山悦子】
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こやつらは屁理屈ばかりで、本当にどうしようもない屑以下の人間である。
日頃は冷静にコメントするよう心掛けているが、正直、原発利権に群がる輩らの連日に渡る”悪行”にもはや我慢も限界であり、後半部分は思わず乱暴な言い回しになってしまった次第である。お許しあれ。