舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

発達が一目瞭然

今日は「世界の艦船」最新号をご紹介。

「世界の艦船」2011年5月号です。
201105.jpg
こちらが表紙。
迫力のある艦首部分を見せているのは、進水式を行っているオーストラリア海軍の新型強襲揚陸艦「キャンベラ」
スキージャンプ部分がインパクトありますね。

巻頭カラーでは就役したばかりの新造ヘリコプター護衛艦「いせ」の写真が紹介されておりました。
「いせ」は今回の「東日本大震災」にも就役を早めて出動しており、米空母「ロナルド・レーガン」同様に海上のヘリポートとしての役割を果たしていたようです。
今月号はまだ震災前の記事ですので、震災に出動した艦船のことは記載されておりませんでしたが、来月号では出てくるのではないでしょうか。

巻中カラーではタイで行われた七カ国海軍合同演習「コブラ・ゴールド2011」のことが紹介されておりました。
この「コブラ・ゴールド2011」は、アメリカ、日本、韓国、タイ、インドネシア、マレーシア、シンガポールの七カ国が参加した合同演習で、通常の揚陸訓練同様に災害時の避難民救援を目的とした訓練も重視されていたとのことで、実際に一般の人々を揚陸艇に収容する訓練なども行われたようです。
こういう訓練はまさに今回の「東日本大震災」にも生かされたのではないでしょうか。

特集記事は「日本のデストロイヤー 戦前編」ということで、明治期の日本海軍における初のデストロイヤー(駆逐艦)である雷型駆逐艦から、太平洋戦争終結までの陽炎型、秋月型、松型駆逐艦までの全型式が写真と記事で特集されてます。
まさに日本駆逐艦の発達が一目瞭然で、わずか排水量350トンほどだった雷型に始まった日本駆逐艦は、最後には2700トンの秋月型へと9倍ほども大型化していったのがよくわかります。
もちろん武装も相応に増強されていき、日清日露から太平洋戦争まで活躍していったわけですね。

今月もじっくりと楽しめそうです。

それではまた。


(4月3日追記)
「いせ」の就役を早めて出動させたというような記事をネットでみたような気がしていたんですが、どうも見誤りだったようでして、どうやら今回の震災には「いせ」は出動していないようです。
出動しているのは同型の一番艦「ひゅうが」のようでした。

ご指摘ありがとうございました。
お詫びして訂正いたします。
すみませんでした。
  1. 2011/04/02(土) 21:15:14|
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四月馬鹿再び

一年ぶりのご無沙汰でした。
あの「四月馬鹿」が帰ってまいりました。(笑)
(タイトルクリックで過去作品に飛べます)

今回も怪しさ大爆発で一人の女性を狙ってます。
その活躍ぶりをよろしければごらん下さいませ。

それではどうぞ。


「クククク・・・お子さんを連れてお散歩ですかな?」
「は、はあ・・・」
誰、この人?
変になれなれしく声をかけてくるなんて・・・
私は無意識に息子を背中側においてカバーする。

それにしても不気味な人。
うちの近所にこんな人いたかしら?
もう春だというのに黒いコートを着て暑苦しいし、幅広のつばの帽子を目深にかぶっているから顔も見えやしない。
関わらないに越したことはないわね。

「それじゃ先を急ぎますので」
私は愛想笑いをしてその場を逃れようとする。
「孝弘(たかひろ)、行きましょう」
「クククク・・・今頃家では旦那さんが女を引き入れているころですかな?」
息子の手を引いてコートの男に背を向けたとき、背後からの言葉が私の足を止めてしまう。
「えっ?」
私は思わず振り返った。
夫が・・・明弘(あきひろ)さんが女を引き入れるですって?

私は足を止めてしまった自分に苦笑する。
そんなことあるわけがないわ。
明弘さんは私をとても愛してくれているし、孝弘の子育ても面倒見てくれるとてもいい人。
女がいるなんてありえない。

「どなたか知りませんけど、変なこと言わないでください。主人が女を引き入れるなんてありえ・・・」
「ありえませんかな? 本当に? あなたは夫をそこまで信用できるのですか?」
帽子のつばの影から見える男の口元に笑みが浮かぶ。
一体この人は何なの?
もしかして・・・
もしかして浮気調査の探偵さんとか?

「あなたの行動は実にわかりやすい。平日はいつもこの時間に子供を連れて散歩している。それは平日が休みのご主人がいても変わらない。そしていったん散歩に出れば、今日のように天気がうす曇りであれば一時間は戻らない。ほら、女を引き入れるには条件がそろっているではありませんか」
そ・・・そんなこと・・・
そりゃあ、いつも散歩はこの時間だし、今日みたいに風が気持ちいい日は一時間ぐらいゆっくりしちゃうけど・・・
にわか雨が降ってきて突然家に帰ることだってあるし、天気がよすぎても紫外線防止のために早めに帰るようにしているから、いつも一時間外にいるわけじゃないわ。
でも・・・
でも・・・
私が出かけた後で誰か呼んでいたりしたら・・・
誰か呼んでいたり・・・したら・・・

「嘘・・・嘘ですわ。あの人に限ってそのような・・・」
「あの人に限って。浮気される人はみんなそのように言うのです。そして知らないところで裏切られる。嘘だと思うなら突然帰ってみるといい。ご主人が誰と一緒にいるのか確かめてみなさい」
「そうさせてもらいます。あなたの言うことなんか絶対嘘に決まっているんだから」
私は孝弘の手を引いて急いでかえろうとする。
「ククククク・・・もし私の言うことが嘘だとわかればお詫びしましょう。あそこの公園におりますので来てください」
黒コートの男が公園を指差す。
「そうさせてもらいます。絶対謝ってもらうんだから」
私はそういって孝弘の手を引く。
「ママ、痛いよ」
「ごめんね。今日はもうお散歩はおしまいなの。急いでパパのところに戻りましょうね」
私は必死で胸騒ぎを抑えながら、夫の待つ我が家へと向かうのだった。

「ただいま! パパ、パパッ!」
玄関に入るなり私はたたきの上の靴を見る。
よかった。
私以外の女物の靴はないわ。
私は念のために下駄箱も開けてみるが、見慣れた自分の靴だけだった。

「お帰り。今日は早かったね」
居間から明弘さんが姿を見せる。
あくびをしているところを見ると、昼寝をしていたのかしら。
もしかして起こしちゃった?
「パパァ」
「孝弘お帰り。お散歩は楽しかったかい」
笑顔で孝弘を抱き上げる明弘さん。
うん・・・
大丈夫。
浮気なんかしていない。
明弘さんは浮気なんかしていないわ。

「変な人がいたよ」
「変な人?」
孝弘がさっきの男のことを言っている。
「うん、真っ黒な服着てたよ。ママとお話してた」
「そうなの。ねえパパ聞いて、私とんでもないこと言われたのよ」
なんだかもう誰もいなくてホッとしたような、変なこと言われて気にしてしまったのが悔しいやらで、話さずにはいられないわ。
「とんでもないこと?」
「ええ、その男が今すぐ家に帰ってみろ。夫が女を引き入れているはずだって・・・」
「へ? 女を?」
明弘さんの目が点になっている。
この反応はまったく予想外のことを言われたときの反応だわ。
やっぱり明弘さんは浮気なんかしていない。
間違いないわ。

「もしかして、それですぐに帰ってきたのかい?」
「だってぇ・・・もしかしたらって思ってしまったんだもの・・・」
もう・・・
どうして私ったら疑ってしまったのかしら。
明弘さんが浮気なんかするはずないのに・・・
「そんなわけないだろ。バカだな。ママ以外僕を相手にしてくれる人なんていないし、僕にはママだけだよ」
孝弘を下ろして私を抱きしめてくれる明弘さん。
あん・・・
うれしい・・・
そろそろ二人目もほしいわね。

って、それどころじゃないわ。
もう・・・
あの男、赦さないんだから。
私をこんなに疑心暗鬼にさせておいて、そのままだなんて赦せない。
嘘だったらお詫びするって言ってたわ。
絶対お詫びしてもらうんだから。
こうしちゃいられないわ。

「おい、どこに行くんだ?」
「孝弘をお願いね、パパ。私ちょっと公園に行ってくる」
私は明弘さんに孝弘を預け、そのまま玄関に走り出す。
「お、おい、ママ! 香織(かおり)!」
「すぐ戻ってくるわ」
私はサンダルを履いて家を飛び出した。

「もう・・・もう・・・もう・・・」
むしゃくしゃする。
あんな一言で明弘さんを疑ってしまうなんて・・・
いいえ、疑わせるように仕向けたあの男が悪いのよ。
絶対文句を言ってやるんだから。

私は公園までやってくると、あの男を捜す。
いた。
ベンチに座っている。
黒い幅広つばの帽子に黒いコート。
間違いないわ。

「ちょっとあなた」
私は歩み寄って声をかけた。
「クククク・・・誰かと思えばさっきの母親か」
首を小さく上に向けてこっちを見る男。
だが、帽子のつばにさえぎられてその目を見ることはできず、口元の薄ら笑いだけが見えている。
なんなの、こいつは?
私は無性に腹が立つ。
「あなたねぇ。主人が女を引き込んでいるなんて言ってどういうつもり? あなたのせいで私は散歩も途中で切り上げて帰るはめになったのよ」
私は男をにらみつける。
「おや、女を引き込んではいませんでしたか?」
「主人が女を引き込むなんてあるわけないでしょ! どうしてそんな嘘をついたの! 私をだましたんでしょ! 赦さないんだから!」
「ほう、赦さない・・・ふふふ・・・ふはははは・・・」
男が突然笑い始めた。
「な、何がおかしいの! 人をだましておいて!」
「ははははは・・・そうさ。俺はだましたのさ。そしてお前はまんまと俺の嘘にだまされたというわけだ」
くぅ・・・
悔しい・・・
しっかりとだまされちゃったんだわ。
「し、仕方ないでしょ。あんなこと言われたら誰だってまさかって思うわよ・・・」
「ククククク・・・いいや違うな。だまされたのはお前がバカだからだ」
「な、何ですって!」
言うに事欠いてバカですって?

「そうさ。お前はバカだ。俺様の嘘にだまされたバカなんだよ」
「バカバカうるさいわね。あなたいったい何なの! 顔を見せなさいよ!」
私がそう言うと男が立ち上がって帽子を取る。
「えっ? 嘘・・・」
私は思わず息を飲む。
そんな・・・
口元は人間みたいに見えたのに・・・

帽子を取った男の顔は競馬中継や時代劇などで見慣れた馬の顔だった。
そして頭には立派な鹿の角が生えている。
えっ?
馬なの?
鹿なの?
いったい何なの?

「ククククク・・・これが俺様の正体だ。馬と鹿の合わさった妖怪でな。名を四月馬鹿(しがつうましか)という」
「四月・・・馬・・・鹿・・・」
私は目の前で起こっていることが信じられなかった。
帽子を持つ男の手はひづめとなり、コートを脱いだ下には茶色の毛で覆われた躰があったのだ。
「嘘・・・ば、化け物・・・」
「ククククク・・・違うなぁ。化け物ではなく馬鹿者だ。そして俺様にだまされたお前も馬鹿者になるのだ」
突然私の周囲が暗くなる。
公園だった周りは漆黒の闇に覆われてしまう。
「えっ? こ、これは・・・」
私は周囲を見渡す。
闇だけで何も無い。
ブランコも鉄棒もベンチも樹木も何もない。
入ってきた入り口さえもなくなっている。
「いや・・・いやぁっ」
私は逃げ出したかった。
こんなのは夢だわ。
悪夢よ。

「ククククク・・・恐れることはない。お前は俺様のしもべとなるのだ。この四月馬鹿に仕える妖怪馬鹿(うましか)になるがいい」
四月馬鹿の目が赤く輝く。
「ひっ!」
私の手が・・・
私の手がひづめに変わっていく。
「いやっ! いやぁっ!」
服がぼろぼろに破け、私の躰が茶色い毛で覆われていく。
「助けてぇっ! 明弘さん! 孝弘ぉ! 誰か助けてぇっ!」
私はその場にへたり込んでしまう。
顔を覆った手のひらも、みるみるひづめになってしまい、サンダルが脱げた足も先が割れたひづめに変化する。
「泣き喚いても無駄だ。お前はもう馬鹿になるのだ」
四月馬鹿がニヤニヤ笑っている。
ああ・・・
そんな・・・
私も馬鹿になってしまうの?
そんなのいやよぉ・・・

鼻面が伸びていく。
頭からは角も生えてきた。
なんだかもうわけがわからない。
私はメスなんだけど、角があってもいいのかな・・・
そんなことまで考えちゃう。
うふふふ・・・
なんだろう・・・
何でさっきはあんなに悲しかったのかしら。
悲しいことなんか何も無いのに。
私は馬鹿なんだから、四月馬鹿様にお仕えしていればいいだけなのに。

「ククククク・・・どうやら変化は完了したようだな。さあ立つがいい。これでお前は俺様のしもべ。妖怪馬鹿になったのだ」
「はい、四月馬鹿様。私は妖怪馬鹿。四月馬鹿様の忠実なるしもべです」
私は立ち上がって四月馬鹿様に一礼する。
ああん・・・なんて素敵なんだろう。
私は馬鹿。
四月馬鹿様の忠実なるしもべ。
馬と鹿が融合しているなんてこれ以上ないぐらいすばらしいわ。
これなら馬と鹿を混同する馬鹿をもっと増やすことができるわね。

「ククククク・・・先ほどまで夫の浮気を疑ったことで俺様に食って掛かった女とは思えんな」
「ああん・・・四月馬鹿様ぁ、私にはもう夫も子供も関係ありませんわぁ。今の私はもう身も心も四月馬鹿様のもの。馬鹿のメスとして可愛がってくださいませぇ」
私はたくましいオスである四月馬鹿様に精一杯の媚を見せる。
ああん・・・
たまらないわぁ。
四月馬鹿様のたくましい胸に抱かれたいわぁ。
あん・・・そのことを思っただけで濡れてきちゃう。

「クククク・・・それでいい。今日はエイプリルフール。たくさんの嘘でおろかな人間どもを馬鹿にするのだ。そうすれば・・・」
四月馬鹿様が私の肩を引き寄せ、耳元でささやかれる。
「あとでたっぷりと可愛がってやる」
「ああ・・・はい。お任せくださいませ。私の嘘でおろかな人間どもをたくさん馬鹿にしてやりますわぁ」
私はこれからどんな嘘をつこうかとわくわくしながら、四月馬鹿様のために働くことを誓うのだった。

END
  1. 2011/04/01(金) 20:48:44|
  2. 異形・魔物化系SS
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四強ならず

第83回選抜高校野球大会、今日は9日目いよいよベスト8の対決でした。

北海道代表の北海高校は、今日の第一試合で福岡県代表の九州国際大付属高校と対戦。
残念ながら惜しくも4対5の1点差で負けてしまい、ベスト4進出はなりませんでした。

北海は終始九州国際大付属にリードを許す展開になり、追いついては引き離されるという状況で、リードを最後まで奪うことができませんでした。
2点差で迎えた最終回も、1点を返しなおもワンアウト一二塁という好機でしたが、後続が打ち取られてしまいました。

ベスト4進出は残念ながらなりませんでしたが、それでもベスト8進出は立派です。
よくがんばってくれたと思います。
北海道のみんなも力を得たんではないでしょうか?
夏を目指し、胸を張って帰ってきてほしいです。

一方こちらは気がかりなニュース。

北海道日本ハムファイターズの鶴岡慎也捕手がイースタン・リーグのロッテ戦で自打球を顔面に当ててしまい、顔面を骨折。
全治は二三ヶ月ぐらいかかりそうとのことで、開幕はおろか前半戦は絶望の様子です。

鶴岡捕手はダルビッシュ投手とのバッテリーが基本ですので、ダルビッシュ投手の投球にも影響を及ぼす可能性が高いですね。
ここに来てまたしても怪我人発生ということで、日本ハムはつらいところですね。
今期の行方にも関わってきそうで気がかりです。

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2011/03/31(木) 21:14:49|
  2. スポーツ
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こういう世界観は好きです

今日はマンガの紹介を一つ。

「ガンスミス キャッツ(GunSmith Cats)」でおなじみの園田健一先生の新作、「ブレット・ザ・ウィザード(Bullet The Wizard)」です。

1106011431.jpg
こちらが表紙。

いやぁ、今日本屋でコミックス見るまでまったく知らなかったんですけど、久々の園田先生の作品はいいですねー。
1960年代アメリカを舞台にした銃と魔法と男と女。
さらにマフィアやFBI、はては妖精さんまで絡んでくる。
この何でもありの世界観は、TRPGの一つ「ギア・アンティーク」にも通じるような感じで大好きです。

主人の命令を忠実にこなすようになる魔法の弾丸や、銃弾を一時的に空中に留め置き、相手の動きにあわせて放出するような弾丸など、魔法を銃弾として撃ち出すというのもあるようであんまり見ない気がします。
魔法の剣と違って、銃は銃弾がないと役に立たないという面が大きいのかなぁ。
まあ、それ以上にファンタジーに火薬は似つかわしくないというのも大きいんでしょうけどね。

今後この魔法銃をめぐって話が展開していくんでしょうね。
園田先生らしく、素敵な脚線美(それもパンスト脚)を見せてくれる女性キャラもしっかりいます。
彼女が主人公とどう関わっていくのかも楽しみ。

それにしても奴隷化の銃弾はいいなぁ。
もっとも、どうせ野郎に奴隷化の銃弾を使うなら、痛めつけて情報を吐かせようとする前に使っちゃえばよかったじゃんって思ったのはナイショだ。
奴隷化させたあとはべらべらしゃべらせていたんだしね。
うん、私なら確実に女性に使うな。(笑)

ともかく今後が楽しみなマンガです。

今日はこれまで。
それではまた。
  1. 2011/03/30(水) 21:09:55|
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遅かった名機

第二次世界大戦が始まったころ、航空機のエンジンとしてレシプロエンジンとはまったく違う方式であるジェットエンジンも実用化の目処がつき始めておりました。

英国も近い将来の航空機としてジェット機には注目しており、1941年にはジェットエンジン設計家として名高いハルフォード少佐の開発した「ゴブリン」エンジンが有望であるとの報告を受け、ゴブリンエンジンを搭載したジェット戦闘機の試作が開始されました。

このときの軍の要求は結構ハードルが高く、最高速度は時速788キロを出せること、高度15000メートルでも作戦行動が取れること、20ミリ機関砲を四門搭載すること、作戦行動半径480キロ以上あること、高高度での作戦行動のために操縦席を与圧することなど、どれも高度な要求でした。

開発を依頼されたデ・ハヴィランド社では、この高度な要求を満たすため、ジェットエンジンの噴射をスムーズに行いさらに機体重量を軽減するために思い切って後部胴体をカットするという手法を取ります。
その代わり細い胴体を双胴という形で後部に伸ばし、水平尾翼をその間に通すことにしたのです。
さらには双発軽爆撃機「モスキート」で得た木製合板胴体の技術を生かし、操縦席周りを木製合板で作成してここでも重量を削りました。

DH100とナンバーがつけられた試作機は、1943年9月に初飛行を行いました。
丸い卵形の中央胴体は短めで、前が操縦席、後ろの部分がゴブリンエンジンとその噴射口になっています。
そしてその中央胴体の左右から細長い二つの後部胴体が伸び、その先が垂直尾翼、二つの間が水平尾翼という形のいってみれば奇妙な形の航空機でしたが、試験の結果はとても良好で、英国空軍はすぐに制式採用して量産に取り掛かるよう指示を出しました。

1944年5月に「ヴァンパイア」と名づけられ制式採用されたDH100は、120機の量産が命じられます。
しかし、第二次世界大戦後半のこの時期は、英国の生産力は現用機種を量産するので手一杯の状態であり、新型機の量産には手が回りませんでした。
結局ヴァンパイアの量産は遅れに遅れ、量産一号機が完成したのは1945年の4月のことでした。
ヴァンパイア

ヴァンパイアは最高速度が要求よりも速い時速870キロにも達する上、戦闘機としての運動性能もよく総合的なバランスがとても高い航空機でした。
量産が早い時期に行われていれば、ドイツ上空でMe262との空戦も起こっていたでしょう。
その場合でもヴァンパイアが性能上は有利であったといわれます。

第二次世界大戦には間に合わなかったヴァンパイアでしたが、戦後はその優秀な性能が評価され、各国で採用されました。
複座の練習機型なども登場し、日本の航空自衛隊も練習機型を一機研究目的で輸入しております。
その機体は今でも浜松に展示されているそうです。

数も多く作られ、最終的には3500機を超える数のヴァンパイアが作られました。
そして戦後に起こった各地の紛争に投入され、中東戦争などに使われたといいます。
一部の機体は、1980年代まで使用されたといいますので、息の長い機体だったといえるでしょう。

第二次世界大戦に間に合わなかったこともあり、あまり名の知られた戦闘機ではありませんが、確かに名機だったといえるのではないでしょうか。

それではまた。
  1. 2011/03/29(火) 21:26:32|
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48年ぶりですってよ、奥様

甲子園で行われております「第83回選抜高校野球大会」、今日は6日目ですが、出場32校中の最後宮城県の東北高校が第一試合に登場いたしました。
今回の「東北地方太平洋沖地震」の影響で、一時は出場が危ぶまれました東北高校ですが、何とかみんなで甲子園にやってくることができたということで、東北地方全体の応援を受けていたような気がします。

対戦相手は岐阜県の大垣日大高校で、序盤の大量失点がものを言ってしまい、残念ながら勝利を得ることはかないませんでしたが、それでも彼らのはつらつプレーは被災地の皆様に勇気を与えたんだと思います。

これからまだまだ大変でしょうけど、東北地方を含め被災地の皆様の一日も早い復興をお祈りいたします。

一方第三試合では、1回戦目を勝ち抜いた北海道の北海高校が2回戦目を戦いました。
お相手は奈良県の天理高校。
甲子園の常連ともいえる強豪校で、正直勝ち目はないだろうと思っておりました。

試合は序盤からお互いにランナーが塁上をにぎわすものの、要所を押さえられて得点ならずという展開に。
3塁までは行くものの、あと一本のヒットが出てくれません。
0-0のまま試合は後半に。

6回に北海は天理高校の守備の乱れからランナーを溜め、代打の松本君がタイムリーヒットでようやく一点を獲得。
その後も両者点が入らず、最後は1-0というまたしても緊迫した試合に勝利することができました。

驚きました。
天理高校相手に完封勝ちなどとはまったく予想外でした。
聞くところによれば、北海高校が春の選抜大会で二勝目を上げるのは48年振りとのこと。
私まだ生まれてないよー。

これで北海はベスト8進出です。
次戦は福岡県の九州国際大付属高校。
9日目の第一試合です。
熱戦を期待したいところです。

今日はこれまで。
それではまた。
熱戦を期待したいです。
  1. 2011/03/28(月) 21:10:38|
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うーん・・・難しい

今日は「札幌歴史ゲーム友の会」に遊びに行ってまいりました。

10時前に会場に到着すると、すでにfsino様、今日も6ゾロ様、HIRO様がお見えになっている状態。
fsino様と今日も6ゾロ様はコマンドマガジン48号付録「Decision in France」の準備に余念がありません。

程なくサッポロ辺境伯様もお見えになり、こちらも準備開始。
今日も前回同様GMT社の「The Spanish Civil War」の対戦です。
陣営も前回同様サッポロ辺境伯様が共和派のリパブリカン軍。
私がファシスト派のナショナリスト軍です。

2011327(1)
序盤、ナショナリスト軍は早めに南北打通を図るべくポルトガルに近いスペイン西部で攻勢を開始。
ダイスの目にも恵まれて早々にリパブリカン軍の部隊を除去して行きます。
(緑色の駒がリパブリカン軍、水色と茶色がナショナリスト軍です)

2011327(2)
南北の打通を果たしたナショナリスト軍は、そのままリパブリカン軍を包み込むように南部から攻勢を広げて行きます。
ダイスの目もよく、リパブリカン軍をかなり追い込んでいきました。

2011327(3)
前回に比べて順調に進むナショナリスト軍。
リパブリカン軍を担当するサッポロ辺境伯様にも苦悩の色が浮かびます。

2011327一時はマドリッドが・・・
ドイツ軍の一号戦車も前線に登場。
リパブリカン軍の拠点であるマドリッドまであと少し。

しかし、このゲームはここからが中盤。
特にナショナリスト軍は長期戦に備えるべく、部隊を一時的に前線から引き上げて訓練を受けた部隊にしなくてはなりません。
そのために一時的に前線からはかなりの部隊がいなくなってしまうのです。
リパブリカン軍はその隙を見逃しませんでした。

2011327(4)
リパブリカン軍は国土の北部で攻勢を開始。
前線から部隊を引き抜かれていたナショナリスト軍は、その攻勢に耐える力はありませんでした。

リパブリカン軍は瞬く間にナショナリスト軍の保持する都市を陥落させて行きます。
ナショナリスト軍は最初から保持していた大都市を4つ失うとその場で敗北になってしまいますが、リパブリカン軍は3つまで占領していきました。

ナショナリスト軍は中盤になるにしたがってダイスの目に見放されます。
満を持した攻勢もダイスの目がまったく振るわずリパブリカン軍に損害を与えることができません。
今度は私が苦悩する番でした。

と、いうところで本日は時間切れ。
最後までやり終えるにはもう一日ぐらい必要なゲームのようです。
とはいえ、ナショナリスト軍はかなりやばい状況でしたので、負けなくてよかったというところでしょうか。
サッポロ辺境伯様、対戦ありがとうございました。

その他の対戦は以下の通り。

2011327でしふら
今日も6ゾロ様とfsino様が対戦なさっていた「Decision in France」(CMJ)

2011327JUNE44.jpg
HIRO様と午後から顔を出されました柿崎唯様が対戦なさっていらっしゃった「JUNE44/AUGUST44」
コマンドマガジン版ではなくオリジナルのようでした。

今回も楽しい時間を過ごすことができました。
皆様ありがとうございました。

それではまた。
  1. 2011/03/27(日) 21:10:05|
  2. ウォーゲーム
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金星さんの堕ちざま

今日は同人誌のご紹介。

堕落事故調査委員会」様の作品、「堕落の金曜」です。

堕落の金曜
こちらが表紙。
今回もまた金星さんが危ない目にww

これまでの三誌は「堕落惑星」ということでセーラー戦士それぞれの堕ちざまを見せてくれておりましたが、今回はタイトルどおりヴィーナスのみとなってまして、三つのお話でヴィーナスがこれでもかとばかりに堕とされてしまいます。
(そういえば堕落“惑星”だからムーンがいないのかな?)

SSはシューミット様が二作品、いなづまこと様が一作品を担当されまして、カステラ☆様、WitchHat様、707様がイラストを担当されてます。

正直に申しまして、異形化度合いがかなり高めだと思います。
ですので、そちら方面がお好きな方にはなかなか楽しめる作品になっていると思いますが、異形化は苦手という方にはちょっと不向きかもしれません。

また、異形化ということで、どうしても悪堕ちというよりは異質な精神への変貌という感じの作品となってます。
ですので、悪に染まって忠誠を誓うような展開はありませんので、その意味では悪堕ち好きとしては個人的には残念という気がしました。

ですが、肉体及び精神の異形化という面ではかなり力が入っておりますので、充分に楽しめる作品になっていると思います。
異形化がお好きな方にはお勧めの作品ではないでしょうか。

今日はこれにて。
それではまた。

23:25 本文修正
  1. 2011/03/26(土) 21:02:34|
  2. 同人系
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あの幕末にやってきた方の名前です

3月11日に発生しました「東北地方太平洋沖地震」で、日本の自衛隊をはじめとする各組織も被災地域での救援活動を続けておりますが、今回皆様もご存知のように、「Operation Tomodachi」(ともだち作戦)として米軍も被災地域の支援にあたってくれています。

その中でも米海軍は各種艦船を投入して海上から支援を行ってくれているわけですが、先日はその中の中核の一隻である空母「ロナルド・レーガン」をご紹介しました。

今日は参加艦船の中でも戦闘用艦艇ではないために普段なかなか目に留まることのない補給艦をご紹介。
「ルイス・アンド・クラーク」級貨物弾薬補給艦「マシュー・ペリー」です。
ルイス・アンド・クラーク級 (ルイス・アンド・クラーク級)

「マシュー・ペリー」は、まさしくあの幕末に黒船を率いて日本にやってきた「マシュー・カルブレイズ・ペリー」提督の名を冠した補給艦です。
なんと日本と縁がある名前ではありませんか。
マシューペリー (マシュー・ペリー)

補給艦「マシュー・ペリー」は、艦隊に食糧や生活物資を補給する「給糧艦」(糧は食糧を意味します)という艦種と、兵装や弾薬を補給する「給兵艦」(兵は兵器を意味します)という艦種を一隻にまとめてしまおうという考えから作られた「ルイス・アンド・クラーク」級の貨物弾薬補給艦の一隻として完成したばかりの艦です。

全長は210メートルにも達する大型の艦で、最大幅も32.3メートルと広いです。
満載排水量は4万トンにもなり、食糧や弾薬等を約6600トンほど搭載することができるそうです。
そのほか冷凍貨物が1700トンほどに真水も200トン補給可能といいます。
また、燃料の補給も行うことができ、3400トンの燃料を搭載できるようになってます。

機関は電気推進となっており、発電機で電気を発電してモーターを回して推進力とすることで、約20ノットの速力を発揮することができるようです。

後部はヘリコプター甲板となっており、搭載している二機のヘリコプターを使うことでヘリコプターによる補給も可能となっています。

米海軍の艦隊に補給する補給艦ではありますが、運用は民間人が行っており、所属もMSC(軍事海上輸送部隊)というところに所属しております。
そのために武装はしておりません。

「マシュー・ペリー」は最新鋭の補給艦で、その巨大な貨物搭載力は、おそらく今回の災害支援でも有効に発揮されていることでしょう。
直接物資を届けるだけではなく、支援に当たっている各艦艇への補給も行っているので、なくてはならない艦と言っても過言ではないと思います。

今回の地震と、それに付随した津波によって亡くなられた方は、ついに一万人を超えました。
なんとも大きな数字で実感が伴いませんが、本当に痛ましいです。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。

それではまた。
  1. 2011/03/25(金) 21:48:55|
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ようやく決まった

いろいろと取りざたされてきました今年のプロ野球セ・リーグの開幕日が、パ・リーグと同じ4月12日に決定したようですね。
それと同時にセ・パ両リーグで当面のルールも決まったようです。

今日セ・リーグの臨時の緊急理事会で決まったのは以下の三点だそうです。

1)開幕日を4月12日にする。
2)東京電力、東北電力両管内での4月中のナイターを自粛する。
3)先日の9回終了で打ち切りではなく、延長の場合は3時間30分を超えた場合新しいイニングには入らない。

また、付帯事項として東京ドームでは4月中はデーゲームも行わないとのこと。

これは特に読売巨人にとっては、かなりの英断ではないでしょうか。
4月中は東京ドームでは試合ができないということを意味しているような気がします。
その分はビジターゲームを先にやり、東京ドームで試合ができるようになったらホームゲームを消化するという感じなんでしょうか。

この決定に選手会の新井選手会長もほっとしたようで、記者会見で思わず涙したというニュースも。
とにかく開幕日が決まったということはファンとしてもほっとしてます。

もちろん4月12日以降もいろいろと困難はあるでしょう。
計画停電はいつ解消されるか目処が立っておりませんし、関東東北の各チームは本拠地球場での試合もままならないかもしれません。
でも、プロ野球が始まることで、少しは明るいムードも出てくるのではないでしょうか。
選手たちのプレーを楽しむ余裕も多少は出てくるかもしれません。
少しでもよい方向に向かって行ってくれることを願ってます。

ところで、これで開幕日が決定したことで、各チームとも最終調整に入っていくものと思うのですが、すでにオープン戦は終了しているので、各チームの実戦形式の練習試合というのが増えるんじゃないかなと思うんですが、どうなんでしょうか。
昨日今日と日本ハムは西武と練習試合を行ったそうですが、観客のいない無観客試合ということだったので、なんとなくもったいないような気がしてしまいました。

そこで一ファンの勝手な思いなんですが、無観客での練習試合をやるのであれば、入場料を取らずに試合を公開し、来たお客さんにいくらかかの義捐金をお願いするというのはできないものでしょうかね。
もちろん現実的には球場の観客の警備や売店を開く開かない等難しいとは思いますけど、無観客での練習試合というのがなんだかもったいないなぁって感じたものですから。

ともあれ開幕日は決まりました。
今年も熱い試合を楽しみにしていきたいと思います。

それではまた。
  1. 2011/03/24(木) 21:14:32|
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(まいかた まさと)と読みます。
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