【社説】日本政府はなぜ未来を見通せないのか

 日本の文部科学省が30日に検定を通過させた18種類の中学校社会科教科書のうち、12種類に独島(日本名:竹島)は日本領という内容が明記されている。これまで使用されてきた23種類のうち、10種類にはすでにこの内容が記載されていたため、今回の検定ではその割合が43%から67%へと大幅に高まったことになる。とりわけ4種類の教科書には「韓国は独島を不法占拠している」と記載されている。

 日本は昨年3月、独島は日本領という内容が明記された5種類の小学校社会科教科書を検定で通過させた。また来年には、高校教科書の検定も予定されている。そのため最終的には小・中・高校で一貫して、独島は日本領という自分たちの主張を子どもたちに教え込み、両国関係における大きな感情対立の火種を現在にとどまらず、未来にも引き続き残そうとしている。

 多くの韓国国民は、日本の東北地方で地震や津波が発生してから「独島問題と人道支援は別」という大きな考えを持ち、隣国・日本の国民の痛みを共に分かち合おうとしてきた。日本政府もこのような韓国国内の雰囲気がいかに特別なものかを理解しているはずだ。ところがこのような状況で日本政府が「教科書検定は以前から予定されていたため変更できない」と説明したとしても、これは到底受け入れることができない。この教科書改訂作業は1996年以来、段階的かつ体系的に行われてきたからだ。

 中国やロシアとも領土問題を抱えている日本が「独島まで奪われるわけにはいかない」と考えて無理な行動を起こしているのなら、これは東アジアで隣国との共存を軽視する行為にほかならない。日本は60年にわたり尖閣諸島(中国名:釣魚島)を実効支配してきたが、これに対して中国が突然領有権を主張してきたことに対して「挑発」と非難しながら、その一方で独島に対しては中国と同じ方法を使うとしたら、これは誰が見ても言語道断と言わざるを得ない。国際社会でこのような日本の行動はどのように映るのだろうか。

 政府は「今年は“静かな外交”から“冷静かつ断固たる外交”へと方針を転換する」と説明している。今後は言葉よりも行動が必要だ。日本が独島に対して戦線を拡大してくるのなら、こちらもそれに応じて独島に対する実効支配を強化する具体策を実行に移す以外にない。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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