2011年3月23日号。<被災地外のみなさん外食をしてあげて下さい。このままではみんなの「宝」である店がどんどん潰れてしまう>
<これは勝谷誠彦が個人で配信している有料配信メールです。あくまでも個人が得ている情報からの推察ですの
で、内容についてはそれぞれがきちんと吟味して判断してください、という勝谷のメッセージを添えます。なお配信元その他の情報は下記の通り。
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発行:株式会社 世論社>
(2011/03/23 9:05), 勝谷誠彦の××な日々。 wrote:
2011年3月23日号。<被災地外のみなさん外食をしてあげて下さい。このままではみんなの「宝」である店がどんどん潰れてしまう>。
4時起床。
東京はいま、地震の連打にあっている。7時ごろ1発目が揺れた。続けて地震で運転を見合わせた東北新幹線が再開したとNHKのアナウンサーが喋っている 途中で2発目が来た。すぐに緊急地震速報が流れ「また波の方が先かよ」と思ったら、もういちどガツンときた。こちらの速報だったらしい。
もはや地学屋の私でもどう説明していいのかわからない、人類史上稀な現象が起きている列島の上に私たちは住んでいる。いや、説明は出来るのだ。大きな意味での「余震」なではあるのだ。
ああ、震源は福島県の浜通りだ。さきほどのよりもやや内陸に入っている感触がある。これ、長野県や静岡県で起きたものと同じく日本列島に対して「横」に 入っている亀裂、つまり断層ですね。それが動いている感じだ。ということは長野の時のようにここから日本海側に向けてまた余震がある可能性がなくない。福 島県の浜通り、栃木県北部など南東北から北関東にかけては少し気をつけた方がいいかもしれない。
これまでの地震で地盤が緩んでいる。建物も脆弱になっている。いつも以上の警戒をして下さい。
心配なのは福島原発の作業だ。まるで復旧作業を狙い撃ちしたような場所で起きている。
次々とチャンネルを切り換えてみるがどの局も原発の情報を流していない。いや、新幹線がどうこうよりも、まず原発はいまどうなのかということを報じるべきでしょうよ。
あ、いまやっとNHKが原発の状況を流した。安全を確認しながら作業続行とのこと。よかったよかった。
西日本の方などはわからないだろうが、なんだかもうこちらは船に乗っているような気分だ。ベッドに寝ていても、もはや少々の揺れでは起きたりしない。ゆらりゆらりと「味わって」いるのである(泣)。
高層マンションの方々などはそのたびにエレベーターが止まり、何十階まで歩いて登ったりしなくてはいけないから大変だ。
私たちは「群発地震」のさなかにもいるのである。今日も朝から知れば知るほど見えて来るこの国の政府や大マスコミの虚妄と嘘と誤魔化しとすり替えについて書こうと肩に力が入っていたのだが、今の揺れで ちょっと抜けた(苦笑)。実はかなり書き上げていたものを、全部消した。たまには少し希望の灯が見えるような物語もいいかも知れないと思って。
昨日は『天国のいちばん底』を書き上げて新宿に出た。部屋に籠もって狂ったように号外を出していた時期を抜けて、外に出るようになった私はつとめて外食 をすることに決めている。それが自分が生活の中でできるささやかな「支援」だからだ。『東京麺通団』『赤坂麺通団』の経営者として、いかに外食産業がダ メージを食らっているかを知っているからでもある。
考えてみれば震災がおきる直前に私はここで「このままでは外食産業が滅びる」というようなことを書きましたよね。あの時点でそうだったのである。今の計 画停電と消費自粛ムードは死にかけていた外食産業に最後のとどめを刺しかねなくなっている。おそらく今月末でキャッシュフローの手当てがつかなくなって倒 れる店がかなり出るのではないか。ようやく調達した資金を送ろうとしてもみずほ銀行は機能していないし(笑・怒)。
昨日は新宿の行きつけの焼鳥屋に行った。なかなか予約もとれなかった名店だが「今日はめずらしくお客様が多いです」という。それほど来客が減っているのだ。
同業者として仕入れの様子を聞くと、卸までは入っているのだが逆にそこで滞貨しているのだという。末端の消費が冷え込んでいるのだ。そこへもってきて、阿呆どもが放射能汚染の魔女狩りで大騒ぎしている。
「何十キロ食べれば年間被爆量」だとかくだらない発表や報道ばかりしていないで、淡々と基準値を超えたものは出荷停止するという行政機能を果たせばいい だけでしょう。量の多寡にかかわらず「食べたら死ぬで」を市場に出したらグリコ森永犯だ。そのかわり、店に現に並んでいるものは「絶対安全だから安心して 買って下さい」と、言わずともきちんとした基準での規制を国がやっていれば、消費者は普通に振る舞うのである。「国が」ですよ。何を自治体ごとの裁量に任 せているのか。これもまた、消費者が風評に惑わされる原因のひとつだ。地元の産業に不利になるような調査を自治体がちゃんとするかどうか、信じられなく なっているのである。
どうしてこんなにわかりやすいことを大マスコミは指摘しないのだろう。店の女将さんは岩手出身だ。内陸部なので被害はさほどなかったが、海沿いに住んでいた知り合いが亡くなったという。かの地では知るべをたずねると、必ず 誰かは亡くなっている感触だと聞いた。それが現場のリアリティなのだろう。近いうちにまとめて触れようと思っているが「死者行方不明者の数の大嘘」はこう いう話を聞いていてもわかる。
外食にあたって私が決めているのは「人を誘う」ことだ。一人分でも多くのお金を業界に落としたいのである。昨日の急な誘いに乗ってくれたのは30歳の女 性だった。ありがたいことに彼女も同じ思いで「女子会」を頑張って連夜やっているという。いや、ただ呑みたいだけでと思いますが(笑)。
そんな場でどんな話をするのかと聞いていて驚いた。「今度は私たちがこの国を引っ張っていかなきゃね、と話しているんです」と言うのである。民族派の活 動家でも政治家志望でもない(笑)。ごくフツーのおね~ちゃんたちが、だ。「今ほど日本という国を意識したことはない」のだそうだ。「両親や祖父母の世代 は、戦後焼け跡から日本をここまでにして私たちを育ててくれた。次は私たちが頑張る番だ」なんて泣かせるじゃないですか。ちゃんと陛下の会見も見ていた。 「天皇陛下というのがどういうわけで私たちの象徴なのか考えている」。この答えもいい。しっかり自分たちの頭で考えればいい。確かなのは、無視しくさった 大マスコミやイヤガラセに奔走している極左政治屋どもと違って、彼女たちに陛下のメッセージはきちんと伝わっていることだ。
若い世代(若くもないか・笑)捨てたものではないと思った。悪いことがあれば良いこともある。病魔に襲われた時に身体の免疫機能が働くように、今回の大 災厄によって日本民族の防御反応が働いて、若い世代が覚醒してくれればこんな嬉しいことはない。しかし彼女たちは言っていた。「男はね~。がっくり来てい るだけ」。頑張れ男子諸君。『テンソコ』の執筆の合間に新党日本の本部で田中康夫さんと話をした。援助物資を持って相馬市、南相馬市に突入して戻ってきたところである。本部の部屋にはまだ物資がうずたかく積まれていた。
彼から聞いた被災地の様子には既にここでも触れたが、その詳細は一緒に入っていった国民新党の下地幹郎議員のブログに詳しい。「あれ、よく書けているから読んでもらって」という田中さんのご推薦である。
<相馬市と南相馬市>
http://www.mikio.gr.jp/blog/index.php?mode=res_view&no=2220#myu2220
ここだけではなくその前後などもぜひ読んで下さい。私が書いてきたように国や東電から「棄てられている」当地の様子がよくわかる。田中さんを通じて聞こ えてきた現地の言葉は「原発から20、30キロ圏内の住民は死ねというのか」に尽きる。家からは出るな。食料や医薬品はとどけない、つまりは家の中で飢え て死ねということである。
記者がいたのにNHKはとっとと逃げた。大マスコミの姿を田中さんはついぞ見なかったという。あっ、あの山路徹さんはいて「田中康夫が来ました」とかレ ポートしていたらしい(笑)。真っ先に突っ込んだ不肖宮嶋センセイといい、要するに彼らの世界なのだ。大マスコミが引いている「独自の安全ライン」は50 キロ圏。読者視聴者には「30キロで安全ですよ」と言っておきながら。
今日は明るい話にしようなどと言いながら、また頭が沸騰してきた。イカン、イカン(苦笑)。
電話では聞けなかった話も。南相馬市では自衛隊が避難所などを回って「100キロ圏外まで出るように」と言ってまわったという。この話、私のもとにも避 難所の方から届いていたが「まさか」と思って確認できるまで書かずに来た。国民に「30キロで大丈夫」と言っておきながら、繰り返すが大マスコミは50キ ロ、自衛隊は100キロから外に出ろと言っているのである。嘘と虚妄と誤魔化しがいかに横行しているかわかるだろう。
この「100キロ圏外退避」はそのままうやむやになったが、結局どこからその指令が出ていたかはハッキリしない。自衛隊でこれなのだ。田中さんは断ずる。「国家の司令塔がどこにもない」と。その通りだと思う。
私のもとによく義援金はどこに送ればいいのかという問い合わせがあるが、確実に言えるのは田中さんの新党日本に送れば即座にピンポイントに活かされると いうことだ。阪神淡路大震災のボランティアや長野県知事としての体験が活用されている。送り先はこれを参考にしていただきたい。
http://www.nippon-dream.com/
他の義援金の受付組織についてどうこうは敢えていわない。もちろん詐欺集団とは一線を画しているものの、かなり怪しい話も耳に入って来ている。あまりひ どければそのうち書きます。最大の問題は「スピードがない」ことだ。決定して被災地に配るまで3カ月6カ月かかるのは当たり前だという。このこと、覚えて おいて下さい。信じがたい情報をいくつか。しかし決して「噂」ではない。
当初「行方不明」と言われていた福島原発の東電の職員は冷却装置を誤作動させたまま、郡山市まで逃げていたという。そこで酒を呑んで騒いでいたところを目撃されてバレてしまった。
もちろんいま現場では命懸けの作業が続けられている。しかしやがて初動のこういう出来事はきっちり検証すべきだろう。
航空会社でも。JAL内の工作員から。支那路線で支那人の客室乗務員が乗務拒否で稼働不足。仙台空港被災のため羽田ー福島便を増便するも、乗務する予定 の契約乗務員の親が「行かせたくない」と会社に電話(苦笑)。まあ、いろいろあります。しかし、人間の本性を、こうした事態は赤裸々に見せてくれるもの だ。
最後はまた明るい話でしめくくろう。
先日「閉館する赤坂プリンスを活用できないか」と書きましたね。あれからしばらく考えた。どのボタンをおせば、もっとも効果的であるかを。昨日、ひらめ いた。赤プリといえば清和会、つまりかつての福田派安倍派、今は町村派がずっと拠点としてきたところである。莫大な賃料を払ってきたはずだし、人間関係も 深いだろう。さまざまな政治ドラマを生んできた建物への愛着もあるだろうからホテルに「最後の御奉公」をさせたいという思いもあるに違いない。
そこで私は電話をした。安倍晋三さんにである。留守電に入れておくとやがてご本人がかけてきてくれた。手早く趣旨を説明すると、飲み込みの早い人であ る。「わかりました。こちらでやってみます。党とも話してみます」とのことだった。うまく行くかどうかはわからない。だが安倍さんは有言実行の人である。 すくなくとも「検討しとけばよかった」という悔いはこれで残らない。
この国難に立ち向かうにはひとりひとりが「悔いを残さない」ことだとも思う。_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
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