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[事件]ニュース トピック:米国
【土・日曜日に書く】度肝を抜いた米軍の支援 日本政府の不作為を問う
2011.4.3 03:51
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原発に関し日本側は、オバマ大統領が「さらなる原子力の専門家の派遣」に言及したと発表しただけなのに対し、米側は「(大統領が)核融合や原発の被害管理に通じた米軍の特殊専門部隊の派遣を含め、追加支援の用意があると伝えた」と詳細に発表していた。
この発言は、米国が有効な手を打てないでいる日本政府に代わって原発の被害管理を行うことを示唆したとも受け取れる。行間から伝わってくるのは、原子炉の冷却が思うように進まず、連鎖事故の誘発に手をこまねく日本政府へのいらだちだった。
事実、米政府高官は翌日、「オバマ大統領は日本政府が原発事故の深刻さに気づいていると確信した」と語っている。だが、いくらオフレコとはいえ、「日本は深刻さが分かっていない」などと被災国を非難できないだろう。この発言自体、日本に不信感を抱いていることの裏返しといえる。
「われわれには監視から除染まですべて行う能力がある」。ウィラード司令官が3月17日の会見でこう語ってから2週間たってようやく米軍の本格支援の受け入れを決めた。防災服を新調したり、危機管理に無知な素人を何人官邸に集めても国民は守れない。
1979年3月28日のスリーマイル島原発事故を経験し、2001年9月11日の米中枢同時テロ以降、テロリストによる原発攻撃対策を練ってきた米国。彼らの協力をためらってきた合理的な理由を日本政府に問いたい。(ささき るい)
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