「プロボクシング10回戦」(2日、沖縄県立武道館)
WBA世界スーパーフライ級1位・亀田大毅(22)=亀田=が2日、元WBC米大陸ライトフライ級王者ヘスス・マルティネス(35)=メキシコ=を5回37秒KOで下し、Sフライ級転向後初勝利を飾った。5回に左ボディー2連発でキャンバスに沈め、2009年8月以来6試合ぶりのKO勝利となった。世界2階級制覇を目指し、年末にも計画している世界戦へ順調なスタートを切った。
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5回、大毅の左ボディーがうなりを上げた。フットワークを駆使するマルティネスをロープ際に追い詰め、横腹に左ボディーを2連発。ドスン、ドスンという重い音とともにマルティネスはキャンバスに崩れ落ち、そのままテンカウントのゴング。元世界王者の貫禄で、約1年半ぶりのKO勝利を飾った。
この日は54・0キロの契約体重でリングに上がった。50・8キロのフライ級時代には減量に苦しみ、リング上ではフラフラだった。「今日は体が軽かった。昔に戻ったみたいだった。内容はまだまだやけど、こんなに楽しんだのは久しぶり」と会心の笑みを浮かべた。
東日本大震災が起こった3月11日にフィリピン合宿から帰国。午後2時半に到着し、約20分後に起こった大震災時は高速道路を移動中の車の中だった。直接の被害は受けなかったが、自身も6歳の時に阪神・淡路大震災を体験しているだけに決して人ごとではなかった。
この日はトランクスの後ろのベルトラインに「集まれ!日本の力」と直筆のメッセージを縫い込んだ。「俺には拳で伝えることしかできない。今日のKOで勇気や元気を与えられたらうれしい」。今後はノンタイトル戦2試合をはさんで年末に世界戦を計画。2階級制覇の新たな夢に向かって、最高の形で再スタートを切った。
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