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[事件]ニュース
【放射能漏れ】出荷制限…嘆く農家「これがごみか」 原乳1日200トン廃棄
2011.4.3 09:56
出荷制限となった福島県産の牛の原乳が、1日当たり約200トンも捨てられている。県や酪農団体は産廃処理を検討中だが、国や東京電力が補償するかどうかは不透明。収入源を絶たれた酪農家に廃棄費用が重くのしかかる。
3月30日、原発の北西約50キロの川俣町。酪農場の一角に掘られた深さ2メートルの穴に、横付けされたトラックのタンクから原乳がどんどんたまっていく。廃棄量は毎日約3トンだ。
この酪農場で働く佐藤正仁さん(36)は「うちの乳がごみなのか。せっかく搾ったのに…」と嘆く。
福島県の原乳生産量は全国13位(平成21年)。昨年2月時点で酪農家約570戸が乳牛1万7千頭余りを飼育している。出荷制限以降、県内の1日の廃棄量は最大で240トン。放っておくと牛の乳房が炎症を起こし病気になるため、1日2、3回の乳搾りが欠かせない。餌代などに加え、廃棄費用も各酪農家の負担。福島市の酪農家、阿部正一さん(63)は「収入はゼロではなくマイナス」とうなだれる。金と手間のかかる作業に「誠心誠意搾った乳を捨てなきゃいけないのが、一番悔しい」。
県や酪農団体は原乳を一括して産廃業者に処理を依頼することを検討中で処理費用は月2億6千万円に上る。国や東京電力からの具体的な補償案は見えておらず、阿部さんは「先が全く見えない。考えれば考えるほど腹が立つ」と話した。
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