さぁ開幕！！松井、日米２５００安打だ　サイ・ヤング賞男から打つ！！

　難攻不落の右腕から日米通算２５００安打を決める。松井が静かに闘志を燃やした。

　「何度も対戦してますから、ある程度イメージはある」。開幕戦の相手は昨季のサイ・ヤング賞に輝いたヘルナンデス。過去の対戦成績は２６打数６安打、打率２割３分１厘と決して打ち込んでいる投手ではない。ただ昨季は、最後の対戦となった９月１１日に左中間へ豪快な一発。今春のオープン戦では、１３打席目に待望の初ヒットを放った“縁起のいい”相手だ。松井はあえてヘルナンデス攻略へ多くを語ることはなかったが、あと１本と迫ったメモリアル打をサイ・ヤング賞右腕から決めれば、幸先のいいスタートが切れる。

　状態も悪くはない。開幕を控えた前日の打撃練習では３連発を含む、７本の柵越えを披露。古傷の膝痛を拭い去った松井は、体調面で揺るぎない自信を見せた。「スプリングトレーニングから順調にきましたし、ここ２、３年の中ではかなり良い状態で開幕を迎えられる」。メジャー９年目、３球団目となる新天地ア軍で迎える開幕。環境は変わっても、フォア・ザ・チームのためバットを振り続けるスタイルに変わりはない。

　「プレーオフに出るというのが目標。そのために１６２試合をしっかりと戦い抜く。点を入れるだけ。それを期待されて呼ばれたわけだから」。最大の武器でもある強力投手陣に加え、打線が奮起できればプレーオフ進出の可能性は大。開幕戦は２年連続でアーチを描いた松井が、東日本大震災の被災者を勇気づけるため、そしてア軍のため、満を持して本拠地のグラウンドに立つ。