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【大相撲】

八百長問題 23人では終わらない

2011年4月2日 紙面から

八百長に関与した力士ら23人の処分を決め、記者会見する放駒理事長。左は特別調査委員会の伊藤滋座長=両国国技館で(川柳晶寛撮影)

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 大相撲を揺るがした八百長問題で、日本相撲協会は1日、東京・両国国技館で臨時理事会を開き、特別調査委員会が関与を認定した23人の力士、親方について事実上の角界追放を意味する厳罰処分を決めた。しかし、まだ不透明な部分も残され、特別調査委は今後も調査を継続し、新たな処分者が出る可能性を示唆。処分を受けた力士・親方の大半は不満を示しており、八百長問題はまだ収まりそうにない。

 23人という大量処分者を出した八百長問題はこれで終結したわけではない。特別調査委員会の伊藤滋座長は、今後も調査を継続する処分対象者がいるかと聞かれると、「極めて少数の関与する関取か師匠の話が出るかと思う」と断言。まだ広がりを見せる可能性を示唆した。また、特別調査委の望月浩一郎弁護士も「積み残しがあるのは間違いない。白か黒か決めなきゃいけない」と同様の考えを口にした。

 だが、あまりにもずさんな調査をしてきた特別調査委に対する不信感はぬぐえない。この日の理事会で23人の親方・力士に弁明の機会が与えられた。その中の力士1人が「調査の仕方に問題がある。野球賭博のときと一緒で逃れた人間がいる。ちゃんとしてほしい」と訴えた。

 具体的に理事会で名前も出た。「昨日(3月31日)、弁護士から電話があって聞かれたので星風とのこと(八百長をしたことを)を認めた。でもシロになってる」と、その力士は理事会で明言。ある親方から「やったんだね?」と念を押されたが、「やりました」とはっきり証言した。

 また、幕内の蒼国来にも一度はクロ認定をしておきながら、この日は招集されなかったことからシロ認定に変わった可能性もある。星風も同様にクロ認定されたが直後にシロ認定に−。

 特別調査委の関与認定基準はぶれまくり。力士の人生がかかっているというのに、処分された23人の中に同じように不確定な調査でクロ認定された力士がいてもおかしくない。

 八百長の「全容解明・処分・再発防止」を3点セットに掲げる放駒理事長(元大関魁傑)も、八百長が行われた原因について「どうしてこんなことになったかな。気持ちの弱さとかあったのかなあ。これだから、こうなんだというのは分からないですね」と、肝心な部分は不透明のまま残された。まだまだ問題は山積み状態のようだ。

 

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