南北統一をめぐる10の誤解と真実(中)

第1回「統一フォーラム」

(3)統一は対立を招くだけ?

 ピースを外すと太極旗(韓国の国旗)が現れる韓半島のジグソーパズル。統一は遠いものではなかった。しかし韓国に統一の意志があってこそ、統一は実現する。

 金錫友(キム・ソクウ)元統一部次官は「分断が長期化すると、同質性が弱まり、ドイツとオーストリアのように1民族2国家体制が固定化しかねない。統一が早ければ早いほど、異質化を解消するための費用を圧縮できる」と語った。また、林玄鎮(イム・ヒョンジン)ソウル大教授は「東西ドイツのように(統一前に)相互の心の交流があることが重要」と指摘した。

(4)大量の難民がやって来る? 

 朴世逸(パク・セイル)韓半島先進化財団理事長は「一定期間は配給制や移動許可制を実施し、現在の居住地に関連する私有財産権を認めるなどのインセンティブを提供すれば、脱北者が多数流入するという事態は起きないだろう」と語った。「北朝鮮にとどまっても十分に暮らしていけるという希望を与えることが重要」(チョ・ヨンギ教授)というわけだ。

(5)統一運動は北朝鮮による挑発が発端となる?

 北朝鮮による挑発は、太陽政策の時も続いた。韓半島先進化財団によれば、北朝鮮の挑発は、全斗煥(チョン・ドゥファン)政権時代に16件、盧泰愚(ノ・テウ)政権時代に12件、金泳三(キム・ヨンサム)政権時代に25件、金大中(キム・デジュン)政権時代に23件、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代に17件あった。趙建植・元次官は「北朝鮮の挑発より、統一の議論をめぐる韓国内部の分裂の方を警戒しなければならない」と語った。

(6)分断状態が続けばいい暮らしができる?

 朴理事長は「統一を避ければ(北朝鮮に対する中国の影響力が強まり)国境が事実上38度線以南に後退し、国家が縮小する」と語った。特に、北朝鮮が外部への挑発を利用して体制内部の危機を乗り切ろうとすれば、韓半島の危機指数が跳ね上がり、韓国が先進経済の仲間入りを果たすのが難しくなるという意見が多数出された。キム・ジンヒョン大韓民国歴史博物館建設委員長は「北朝鮮の羅先市から上海までのルートが開拓されて中国の軍艦が航行できるようになると、韓半島周辺は中国の懐に入ってしまう」と指摘した。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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