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「笹かまを絶やすな」地元のため再建決意 宮城

産経新聞 4月2日(土)20時11分配信

「笹かまを絶やすな」地元のため再建決意 宮城
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「ささ圭」のかまぼこ工場は津波で90度ねじまげられた=平成23年3月31日、名取市閖上(写真:産経新聞)
 宮城県の名産で「笹かま」と親しまれている「笹かまぼこ」の生産業者も、東日本大震災で大きな被害を受けた。生産設備が修理でき操業を再開した業者もあるが、販売ルートは絶たれ、観光客需要も激減している。そんな苦境の中で生産者たちは「笹かまぼこ文化を絶やすな」と気力を振り絞っている。(城野祟)

 笹かま発祥の地とも言われる名取市閖上(ゆりあげ)地区の「ささ圭」では、津波で工場3棟が全壊し従業員2人が帰らぬ人に。1人も行方不明のままで、佐々木圭亮社長(59)は「今後を考えると、悪い想像ばかり浮かんだ」。地震から10日後の3月21日、従業員を集めていったん全員解雇を伝えた。「もう廃業しかない」という思いだった。

 だが数日後、石巻市の同業者の同級生の電話に、頭を殴られたような衝撃を受けた。「『石巻はみんなで再建する。復興しなくちゃだめになるぞ』と言われた。おれたちも負けられないと思った」

 奮起して解雇は撤回。従業員に「もう1度ゼロからやりたい。待っていてくれるか」と話すと「やりましょう」と返ってきた。

 泥の中から工場の重要書類を拾い集めて再起の準備を進めた。得意先からの「再開したらまた取引させてほしい」との連絡が励みになった。佐々木社長は力を込めて「どのくらいかかるか分からない。だけど、またおいしいかまぼこを届けたい」。

 仙台市の「鐘崎」では工場が浸水をまぬがれ従業員は全員無事だった。3月28日には地震による配管損壊などの修繕が完了し、一部商品で生産を再開した。だが、生産量は例年の5%以下。同社の庄子健一常務(43)は「現時点ではギフト需要も観光需要もまったくない。生産できても売れない」と弱り顔だ。

 同社では1日に例年より多い新入社員17人を迎え入れた。同社社長室の嘉藤明美さん(47)は「新入社員を自宅待機させることも検討したが、みんなで前に進むために迎え入れた」と話す。庄子常務も「これまで応援してくれた地域の人々と一緒に復興したい」。操業再開後の笹かま“第1号”を近隣の避難所に運んだという。

 仙台蒲鉾(かまぼこ)協同組合の佐藤武事務局長(65)は「“かまぼこ王国”といわれる宮城の底力を見せたい」と決意を示す。

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最終更新:4月3日(日)1時1分

産経新聞

 

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