2011年3月26日土曜日

統一協会“反拉致監禁キャンペーン”後藤事件で第1回弁論

 「家族や脱会請負人らに拉致監禁された」と主張する統一協会(統一教会)信者の後藤徹氏(『全国拉致監禁・強制改宗被害者の会』代表、『拉致監禁をなくす会』副代表)が自身の家族らを被告として総額2億円あまりの損害賠償を求める訴えを起こしている。3月22日、東京地方裁判所で第1回口頭弁論が開かれ、約130人が傍聴に詰めかけた。

■刑事告訴不発、民事訴訟へ

 この裁判は、「家族や脱会請負人らに拉致され12年5カ月にわたり監禁された」と主張している後藤徹氏(現・岩本徹氏)が提訴したもの。後藤氏は、「全国拉致監禁・強制改宗被害者の会」の代表、「拉致監禁をなくす会」の副代表を務める。現役の統一協会信者であり、統一協会による「反拉致監禁キャンペーン」の先頭に立つシンボル的な人物だ。

後藤徹氏
 後藤氏は2008年に、自らの「拉致監禁被害」に関係したとして、自身の家族のほか、牧師の松永堡智氏、会社社長で統一協会信者への説得活動を行う宮村峻氏を刑事告訴。東京地検が不起訴処分とし、後藤氏が検察審査会に対して不服申立てをしたものの、「不起訴相当」との決議が下された(本紙<検察審査会は後藤事件に『不起訴相当』の判断>。今回の民事訴訟は、同じ件について自身の家族、松永牧師、松永牧師の所属教会、宮村氏を訴えたもの。

■訴状の体をなしてない

 第1回口頭弁論では、法廷には原告の後藤徹氏と原告代理人で統一協会信者の福本修也弁護士、被告ら側の代理人には、この日欠席となった1名を除く山口広弁護士ら5人の弁護士が列席した。

 双方の弁護士同士が訴状の内容を陳述。その上で、宮村氏の代理人から、後藤氏側の出した訴状について、

「訴状を読んだが、何を不法行為と言っているのか、何をもって訴えているのかよくわからない」

 との指摘があった。これでは訴状の体をなしていない。これについて裁判官は「今後主張をまとめていただく」と述べた。後藤氏側も「今後主張をさらに具体的にする」とした。

 淡々とした訴訟指揮で、法廷は10分ほどで終了した。

■“統一協会容認派”ライターは、横から割り込み

米本和広氏
 この日の傍聴席数は42席、傍聴券は抽選ではなく先着順だったが、総数で約130人が列び、「新世事件」の裁判でも見かけた統一協会信者が多数動員されたもようだ。傍聴席には被告側を支援する傍聴人が10数名で、それ以外は殆どが統一協会側の信者や関係者で埋められ、傍聴席に座れない信者も多数いたという。

 また傍聴席には、後藤氏が副代表を務める「拉致監禁をなくす会」に関わっているルポライター・米本和広氏の姿もあった。米本氏は「反統一教会陣営による信者の拉致・監禁」を告発した『我らの不快な隣人』の著者だか、その偏った取材姿勢など様々な問題点が度々指摘されており、拉致監禁問題を「国別人権報告書」で取り上げた米国務省からも「統一教会から独立した情報源」とは認められなかった人物である(※)。

「米本氏は開廷直前に現れ、列の前の方に横から入ろうとして、並んでいた被告の知人に注意された。米本氏は何も言わなかったが、統一協会側の男性が『代わればいいんでしょ』と言って米本氏に場所を譲り、列の後ろへ下がっていきました。信者に順番を譲ってもらった米本氏は、悠々と傍聴席の前の方に座っていましたよ」(傍聴人)

■感情的にならずにやりましょう

 米本氏は、本紙<“統一協会容認派”ライターが本紙主筆をデマで中傷>に登場した人物でもある。その米本氏、閉廷後に、統一協会の拉致監禁キャンペーンに対して懐疑的な立場を取るジャーナリストと遭遇。握手を求め、こう口にした。

「おたがい、感情的にならずにやりましょう」(米本氏)

 これについて本紙主筆・藤倉は、ニヤニヤしながらこう語る。

「お ま え が い う な」

■統一協会問題訴訟の“天王山”

 今回の民事訴訟は、統一協会陣営にとって劣勢が続く「拉致・監禁キャンペーン」の最終手段として起こした訴訟とも言える。被告側の代理人弁護士の一人は「(統一協会にとって、反拉致監禁キャンペーンの)天王山ではないか」と語る。後藤氏側はその“天王山”の法廷で、しょっぱなから訴状が「訴状の体をなしていない」ことを指摘された。

 少々お粗末なスタートだが、“後藤事件”が法廷で検証されることになる今回の訴訟。現時点で「訴状の体をなしていない」としても、今後、法廷で語られる内容や裁判所の認定は、統一協会の「反拉致監禁キャンペーン」の行方を占う上で重要なものになるかもしれない。

 ただし被告らの代理人の一人は、本紙の取材に対して

「私たち統一協会問題に取り組む弁護士にとって最も重要なのはUCの違法行為の被害者の被害回復と違法認定です」

 と語る。

 一方、後藤氏側は支援団体「拉致監禁被害者後藤徹氏の裁判を支援する会」(代表世話人は現役統一協会信者の原田和彦氏)がブログを立ち上げ、今後の裁判をリポートしていく姿勢を見せている。

 次回口頭弁論は、5月17日13時30分、場所は同じく709号法廷。次回以降も統一協会信者の動員が行われる可能性が高く、傍聴は抽選となりそうだ。抽選の場合、ルポライターが列に割り込むこともなくなるだろう。

(※註)
 アメリカ国務省は、統一協会が主張する「拉致監禁問題」について、こうリポートしている。
「However the Unification Church reported five members were abducted during the reporting period. These reports could not be independently confirmed, and some nongovernmental organizations (NGOs) have accused the Unification Church of exaggerating or fabricating these reports.(統一協会は、当報告書の対象期間中に5人の信者が拉致されたと報告している。しかしながら、これらの報告については統一協会から独立した根拠により確認することは出来ず、幾つかのNGO団体は、これらの報告は、統一協会が誇張し、あるいは、ねつ造したものであると非難している。)」

【本紙・後藤事件取材班】

14 コメント:

あつ さんのコメント...

藤倉氏がんばれ!

psw_yokohama さんのコメント...

後藤徹氏は、なぜ「岩本」姓に変更したのですか?

匿名 さんのコメント...

あれ?いつものごとく信者共が騒ぎ立てないな。なんか集会でもあるのか?
それとも地震献金に駆り立てられて詐欺行為に大忙しかな?

匿名Z さんのコメント...

法廷は客観的事実を追求する場ですが、統一教会は、法廷を、自分たちの主観的主張をアピールする場だと勘違いしているようです。なんら客観的根拠のない憶測をひたすら並べ立てて、そのボリュームで自分たちの主張を押し通すというのが、彼らのやり方です。それは、教団内で信者を騙すには効果的であっても、法廷では通用しないでしょう。

> 米本氏は何も言わなかったが、統一協会側の男性が『代わればいいんでしょ』と言って米本氏に場所を譲り、列の後ろへ下がっていきました。

米本さんと統一教会との関係を如実に表しているシーンですね。

匿名 さんのコメント...

藤倉さんの平明で淡々としたレポが裁判所前の様子から法廷全体の姿までを活写しています。家族の側は家族の側で、時には先の殺人事件のように法も人権もへったくれもないという必死の勢いの人も居るのは事実であろうと思いますが、「反拉致監禁運動」のような形で、そもそも「拉致監禁運動」があるかのごとくに描き出し、宗教団体丸抱えバレバレの体で、その部分だけを取り出して運動化してゆこうという世界基督教統一心霊協会のでっち上げ手法では「無理筋」でして、法的体裁を整えるのも一苦労でしょうね

オホーツク海岸の論客 さんのコメント...

私にとっても、気にしない訳にはいかない裁判です。
公正なる判決が出るものと期待しています。

匿名Z さんのコメント...

2011年3月27日2:41の匿名さん。
>先の殺人事件

以下の事件の事でしょうか?

http://www1k.mesh.ne.jp/reikan/jireisyu.htm
>16. 殺人 1996年3月15日  判決等不明
> 合同結婚式で日本人女性信者と結婚して日本で同居し3人の子がいる韓国人男性(33)が、妻の母(57)を福島県郡山市内で刺殺。子供を連れて帰国したいとする男性と日本人女性家族の対立があったと報道された。

以上引用終わり。それとも別の事件があるのでしょうか?

匿名 さんのコメント...

あははがんば

匿名 さんのコメント...

米本アホか
なおらんよな

匿名 さんのコメント...

米ちゃんってさ、強引に割り込んで前の席ゲットするなんて性格悪そうね。

匿名 さんのコメント...

あることないかこと書いて霊感詐欺の手助けして金もらってる奴が正確言いわけない。逆にいいと思うなら、利用できそうだとか考えているかも知れないし、注意しなければなんない。
そういえば米本って家族いるんかな?こんなんで飯食って恥ずかしくないのかな。

匿名Z さんのコメント...

場所を譲った信者さんの態度からして、末端の信者さんからは嫌われているようですね<米本さん。

ただ、教団としては大事な広告塔(もはや教団内部でしか通用しませんが)ですから、教団は賛美のシャワーで米本さんを煽てるでしょう。

羞恥心を奪うのもカルトの大事な仕事です。カルトのマインドコントロール下では、社会的羞恥心(社会に対して恥ずかしいという概念)は徐々に失われていきます。

psw_yokohama さんのコメント...

これまで日本人信者に多額の献金をさせてきたのに、東日本大震災が起こっても、それを口実に更に献金を要求するだけの統一教会。
http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/2011/03/post_6405.html

教祖・文鮮明が本当に救世主なのであれば、大地震を防げたのではないでしょうか。なぜそれができなかったのか、説明できる信者はいるのでしょうか。都知事と同様の天罰論でも持ち出すのでしょうか。

統一教会2世 さんのコメント...

匿名Zはいいかげん妄想癖を治したほうがいいね。
羞恥心がどこで奪われたんでしょう。。

コメントを投稿