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凶事予言していた長野・諏訪大社

2011年04月02日
ノンセクション

関連キーワード :地震原発予言

東日本を襲った大震災、そして福島第1原発の事故と放射能汚染…。この恐ろしい事態を〝予言〟していた神社があったことがわかった。今年1月、長野県諏訪郡の諏訪大社下社春宮で行われた神事で占われた結果が「今年は怖い1年。過去20年間で最も悪い結果が出た。春は早めに訪れるが途中で予想外のことが起き、足をすくわれる相」だった。

諏訪大社の下社春宮では、毎年1月14日の夜から15日早朝にかけて、1年の世相や農作物の豊凶を占う「筒粥(つつがゆ)神事」が行われる。
釜の中に米5合、小豆3号、水2升、そして44本のヨシ(葦)の束を入れ、ヨシへのお粥の入り方からその年の吉凶を占うもの。古式にのっとって火は木と木をすり合せてつけ、一晩、寝ずの番でたき続ける。よく当たることから「諏訪大社七不思議」のひとつとされている。
今年の同神事では、農作物について「秋蚕」「サトイモ」「晩稲」の3品目が大豊作、「インゲン」「ナスビ」が不作という結果が出た。問題は「世の中」についての結果だ。示されたのは「三分五厘」という数字。「五分」を最高とする中では厳しい数字だった。
神事を終え、北島和孝(かずのり)権宮司は「今年は怖い1年。過去20年間で最も悪い結果が出た。春は早めに訪れるが途中で予想外のことが起き、足をすくわれる相」と語り、地元紙などに掲載された。3月11日の東日本大震災とその後の暗い世相を見事に言い当てているではないか。
25日、改めて北島権宮司に話を聞くと、神事では不吉な兆候がいくつも出ていたという。
「まず例年になく、早すぎるぐらい早く火がついた。そしてヨシを入れると、普通は対流に合わせて回るのに、今年はヨシが沈もうとせず立っていたんですよ。もう20年間神事を担当していますが、過去にこんな動きはなかった。口には出しませんでしたが、イヤな感じがしました」
「上中下」で見る農作物の占いでも異変は起きていた。「基本的に『下の下』とは読まないようにしているのですが、今年はどうやっても『下の下』としか読めないのが数本ありました」。縁起を担ぎたくても、どうしようもなかった。
「三分五厘」については「満点の五分と読むことはなく、縁起を担いで四分台も言いません。良くて三分八厘、悪いときで三分四厘です。昨年は三分四厘で、本当は今年も四厘と出ていたのですが、氏子さんに希望を持ってもらおうという意味で五厘としたのです」。本当は〝過去最低〟の数字が出ていたのだ。
北島権宮司は、自身の〝予言〟について「地震のことがわかったわけではなく、良くない年だと感じていました」と振り返った。気になるのは「怖い1年」と占った点。この後もまだ悪いことは続くのか?
「被災された皆様は大変な思いをされたと思いますが〝これで勘弁。後は良くなる〟と皆で考えていきましょう。悪いと言葉に出すと悪くなります」
希望を持って生きるしかない。

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