スリーマイル島の汚染除去で使用した素材をベースとするキュリオン製イオン特殊媒体を福島原子力発電所の汚染除去で提供可能
ガラス固化により容量を減らし、安定性のあるガラス基質に転換可能な独自の媒体
米カリフォルニア州アーバイン--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ)-- 放射性廃棄物管理の革新的企業キュリオンは、福島第1原子力発電所の汚染水除去を支援するために、当社が特許出願中である独自のイオン特殊媒体(ISM)を100トン以上提供可能であると発表しました。キュリオンが現在のところ独占的に提供しているISM基材は、スリーマイル島(TMI)原子力発電所事故で発生した汚染水を首尾よく除去する際にも利用されました。TMIでは除去作業の後、ガラス固化(廃棄物安定化のための代表的手法)することで基材の容量を減らして永久的に固定化しました。キュリオンはTMI以降、コストと処理能力の観点から、基材の性能とガラス固化の最先端技術をさらに飛躍的に強化しています。
「福島原子力発電所の事故は、キュリオンが開発しているような新しい変革的技術を使い、環境からタイムリーに放射性廃棄物を分離すべきことの緊急性を浮き彫りにしています。」
キュリオンが開発したこの媒体は、人間の健康と環境を脅かす放射性同位体(原子)を水溶液から除去するためのもので、こうした放射性同位体には核分裂副産物(プルトニウム、アメリシウム等)、燃料破損を示す物質(セシウム、ストロンチウム、テクネチウム等)、廃水放出促進因子(effluent release driver)(ニッケル、ヨウ素、コバルト、アンチモン等)が含まれます。キュリオンの無機媒体は放射線に対する耐性があるため、高放射線量下で有機イオン交換樹脂により処理する場合の安定性に関する懸念を軽減することができます。キュリオンのISMは従来の媒体とは異なり、pH、海水、洗浄水に含まれる界面活性剤(せっけん等)に対する感度が低くなっています。キュリオンのISMは大量生産が可能なため、水の汚染除去アプリケーション(原子力発電所、地方自治体の汚染水処理施設)、さらに排水溝や防壁、境界における多孔性ソックスで利用できます。
キュリオン最高技術責任者(CTO)のマーク・デントン博士は、次のように述べています。「福島原子力発電所では緊急冷却に海水を利用しているため、従来の有機イオン交換樹脂は効力を失い、汚染除去のために利用できません。キュリオンの無機イオン特殊媒体は、樹脂を用いたイオン交換プロセスとは違い、分子ふるいと吸着剤の役割を果たします。このため水溶液中にある同位体吸着剤としての優れた性能は、塩水その他の一般的な阻害物質から悪影響を受けません。当社が設計時に目指したのは、広範な運転パラメーターで独自の強靱性を発揮し、イオン交換媒体の代替として、既存の原子力発電所の浄水脱塩ろ過システムと両立できる人工無機物を作ることでした。またガラス固化技術と親和性があることが重要でした。分解せず、同位体とガスを放出せずに溶融プロセスに耐えられるという意味においてですが、これらはイオン交換樹脂が備えていない属性です。 」
「キュリオンは当社のISMをガラス固化できるので、容量を減らして安定した廃棄物形態とすることで、処理・保管・輸送・廃棄コストを最小限に抑えるという付加的な恩恵をもたらし、独自の方法で環境から同位体を分離することができます。当社がRadwaste Solutions誌の12月号に掲載された “新しい2つのアプローチ(Two Novel Approaches)”という記事で述べているように、キュリオンは耐久性のある超高性能のイオン特殊媒体に加え、コスト効率の高い補完的なモジュール式ガラス固化システムを提供することで、環境から同位体を分離するために必要な時間とコストの削減を目指しています。」(デントン博士)
キュリオンはスリーマイル島でこの基材(プロセス処理用物質)を用いて同位体を分離し、その後ガラス固化を行いましたが、その手法は除去作業の後、幅広く研究されました。キュリオンの基材を用いた同位体分離技術は、ほかの競合媒体と比べて汚染除去ファクター、同位体吸着量、放射線耐性、ガラス固化に適合性を持つ独自性能の点で優れていることが確認されました。さらにキュリオンはその後、基材の性能を大幅に強化したため、量が限られ高価で特殊な同位体吸着剤、イオン交換装置でこれまで達成可能だったレベルと同程度か、それを上回る成果が得られるようになっています。また当社は、特許取得済みで拡張性のある補完的なモジュール式ガラス固化システムを発表し、処理能力を飛躍的に高めることで、コスト削減と期間短縮を実現しています。米国電力研究所(EPRI)は2010年秋に、原子力発電所で注意深く管理されたプロトコールの下、ISMの性能を競合的な同位体分離媒体と比べ、キュリオンの主張が有効であることを独立に確認しました。
キュリオンのジョン・レイモント最高経営責任者(CEO)は次のように述べています。「福島原子力発電所の事故は、キュリオンが開発しているような新しい変革的技術を使い、環境からタイムリーに放射性廃棄物を分離すべきことの緊急性を浮き彫りにしています。」
キュリオンについて
キュリオンは、プロジェクトの実施とコンプライアンスを促進し、顧客が放射性廃棄物管理のライフサイクルコストを大幅に削減できるような革新的で容易に利用できる技術を提供しています。2008年創業のキュリオンは、エネルギー分野の一流投資会社である Lux Capital Managementとファイアーレイク・キャピタル・マネジメントの支援を受けています。キュリオンはカリフォルニア州アーバインに本拠を構え、テネシー州オークリッジに研究開発施設を、ミズーリ州ローラに試験施設を有しています。詳しい情報については、www.kurion.comをご覧ください。
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