■ 菅首相、陸前高田市の避難所を視察
東日本大震災の被災地、岩手県陸前高田市の避難所を2日、初めて視察した菅総理大臣。マスコミの撮影を禁じる中で行われた被災者との対話は19分で終わりました。
2日朝、ヘリコプターで陸前高田市に到着し、小学校にある避難所に向かった菅総理。震災から3週間あまり。被災者たちはどんな思いで迎えたのでしょうか。 「国会議員さんが直接もっと早い段階で、総理大臣じゃなくても見に来て『何が必要ですか』の一声が欲しかったな・・・」(カキ養殖業 佐藤一男さん) 菅総理が視察する避難所で生活する佐藤一男さん。家族は無事でしたが、家も漁船も津波で失いました。菅総理が来たら、被災地の復興だけでなく日本全体の経済立て直しを求めたいと語ります。 「(陸前高田市で)生産するものができたときに、ちゃんと流通に乗ってもらえるように、全体的な経済復興もしていってもらいたい」(カキ養殖業 佐藤一男さん) 避難所には電気もひかれ、仮設の風呂もあり、ようやく落ち着いてきたと話す佐藤さん。総理が視察すべきなのはもっと生活が厳しい別の避難所ではないかと指摘しました。 「ここには住宅地がありましたが、ご覧のように津波で壊滅状態となりました。住民たちはあちらの山の上にある避難所に入りましたが、非常に厳しい生活を送ることになりました」(記者) 橋が崩れ、一時、孤立状態となった長部地区の避難所では240人が生活しています。 「(Q.菅首相への要望は?)ライフラインの早期復旧ということですかね。電気から始まって電話、水道関係ですね」(長部地区コミュニティ推進協議会 菅野征一副会長) 要望書には被災者の切実な願いがずらりと並びます。 避難所の被災者は・・・ 「菅総理も来るの遅いね・・・。もっと早く来て、“どうだ”と、ごっそり(物資を)持ってきて、生活を裕福にさせなくていいから・・・、おにぎり1つでも食べさせていただきたいと思います」 そして2日朝、総理訪問を控えた米崎小学校の避難所。 「被災者の方々が今、スリッパをそろえています」 「菅総理を乗せた車列が今、到着しました」(記者) 被災者との対話が始まりました。 「菅総理と被災者との対話は、撮影が一切、禁じられました。ある政府関係者に話を聞いたところ、被災者から厳しい声があがることを総理周辺がとても気にしていたといいます」(記者) これは被災者が撮影した映像です。菅総理はそれぞれの家族にひざをついて話しかけました。高齢の男性には「国もしっかり対応するので頑張って下さい」と励ます一方、小学3年生になる女の子の赤いランドセルを見て、「なんとか直人がくれたのかと思いました」と発言する一幕もありました。 被災者側から厳しい声が出ることはなかったものの、19分で避難所を後に。佐藤さんは、総理と話すことはできませんでした。 「国としても精いっぱい、最後まで応援しますからと」(菅首相) (Q.視察の時期が遅いのではないかと指摘がありますが?) 「・・・」(菅首相) 菅首相の訪問に・・・ 「わざわざ足を運んでいただき、私としては非常にありがたいと思います」 「もう少し早く来てほしかった」 「もっと現実がすごい時に、いっぱい見てほしかった」 被災者たちの思いは総理の胸に届いたのでしょうか。(02日18:34)
|