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hitoshi nakamura


       

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March 22nd, 10:19am 17 comments

災害時にはBelugaがすごく良いんじゃないかという話

先日の震災の時、一番困ったのは「家族間でどう連絡を取るか」でした。僕なりに色々と試してみた結果をここでシェアしたいと思うのですが、結果から言うと「Beluga最強」。

※僕のつたない知識と経験の中からの考察ですので、もしも認識に誤りなどがあったら教えてください。また、これ以外にもオススメのサービスがあったら是非教えてください。

 

電話/SMSは全くダメ

まず、ケータイの通話は絶望的に繋がりません。固定電話はまだマシでしたが、そもそも電話をかける先がケータイであればどっちにしろ繋がりません。

ケータイの通話がダメなら、必然的にSMS/MMSも使えません。僕も何度も試しましたが、結局全く送受信はできませんでした。さらに、よくよく考えてみれば、仮にSMSが使えたとしても、僕のiPhoneから妹のau IS03にはメッセージは送れないわけです。SMSのあの「いま届く」感はすごく魅力なのですが、こう考えてみたらSMSって災害時には全く不便なサービスなんですよね。

 

Twitterもメールも微妙

そんな状況下で、インフラとして最も活躍したのはTwitterだったわけですが、しかし同時に、Twitterは家族同士でプライベートに連絡を取り合うのには必ずしもベストではないということもよく分かりました。Twitterは、一対不特定多数(リプライやメンション)または一対一(DM)でのコミュニケーションには強いのですが、「一対特定少数」でのコミュニケーションについては徹底して不得意です。

家族数名だけで連絡を取りあいたいと思っても、家族のアカウントを全部入れてメンションを飛ばすのには抵抗があります。関係ない人たちにも、家族内のやりとりが全部見えちゃいますからね。

だからといってDMで連絡を取るとなると、これも大変です。複数の家族の安否を全員が確認し合うには、N対Nのやりとりが発生します。結果的に、誰かがハブとなって、家族全員とやりとりして交通整理しなければなりません。これはこれで圧倒的に非効率。

だったらメールの方がいいじゃん、となるのですが、メールの場合はリプライとかフォワードが入り乱れて、これはこれでワケが分からなくなりがちです。全員をToやCcに入れて送れている分には比較的混乱は少ないのですが、そこまでメールを使いこなしていない家族がいると、「全員に返信」ではなく「送信者にのみ返信」で送られてしまったりして、そこでまた行き違いが発生することも少なくありません。また、キャリアの提供しているメールアドレスは、災害時には今ひとつ信頼しづらい、という問題もありますね。

 

Skypeはかなり良いけれど

こういう中で、家族間通信で一部のユーザーに重用されたのがSkypeのチャットでした。iPhoneにSkypeクライアントを入れていた人は、震災当日、家族間のやりとりでかなり助けられたという話も多く聞きました。

確かに、グループチャット的なサービスは、こういう時に絶大な威力を発揮します。

まず、コミュニケーションが限りなくリアルタイムに近いこと。送った瞬間に相手に届きますので、やりとりをしていても、メールより遙かに安心感があります。もちろん、相手がオフラインだったとしても、オンラインになった瞬間に全てのログを読み込んでくれますので、その点も心配ありません。

さらに、家族をチャットのメンバーに登録しておけば、送ったメッセージは自動的に全員が閲覧することになりますので、いちいち「全員に送る」なんていうことを意識する必要もありません。情報やステータスの共有も楽チンですね。

そういうわけで、実は災害時にはグループチャット系のサービスが強い!ということがよく分かりました。しかし、そんなSkypeにも問題があります。それは、「バッテリーをアホみたいに消費する」ことです。iPhoneでSkypeアプリを立ち上げておこうものなら、バッテリーはあっという間になくなってしまいます。そしてこれは、災害時には一番困ることでもあるのですね。

災害時は、いつどこで充電できるか分かりませんから、できるだけバッテリーを消費したくありません。そんな状況でSkypeを使うのは、なかなか勇気のいる話です。

 

Belugaがすごく良い

そういうわけで、僕は震災直後に家族間の連絡をどう取り合うか、色んなサービスを試しました。Twitter、メール、YammerGroupMeViberFacebookサイボウズLiveナカマップIM+WhatsApp・・・どれも一長一短あったのですが、最後にたどり着いたのは「Beluga」でした。はじめは緊急時に使おうと試したのですが、使い始めて数日で、僕の中では常用サービスとなってしまいました。現時点では、これが究極と言っても良い気がしています。

BelugaはFacebookが買収したことでも有名なサービスですが、一言で言えば「SMSとグループチャットの良いとこ取りをしたようなサービス」といったところでしょうか。そこでもう少し詳しく、Belugaについてご紹介しておきたいと思います。

Screenshot

【特徴その1】リアルタイムに届く

Belugaの最初の特徴は「リアルタイム性」です。このリアルタイム感は、SMS/MMSに全く遜色ありません。しかも、iPhoneでプッシュをオンにしておけば届いた瞬間に通知も出ますので、使い勝手もSMS/MMSと全く同じ。もちろん写真を添付したって、即届きます。

やはり緊急時には、この「すぐ届いている」という手応えが大きな安心に繋がるのではないかと思います。

【特徴その2】グループチャット

Belugaではユーザーを複数登録したグループを作り、参加者と同時にやりとりできます。このグループをBelugaでは「Pod」というのですが、このPodは好きなだけ立てられて、Podの内容は参加しているユーザー以外には全く見えない仕様になっています。これは家族間でプライベートにやりとりするには最適ですね。災害時に慌てることのないよう、あらかじめ家族だけでのPodを作っておいて、普段からそこでコミュニケーションを取るようにしておけば、いざという時も安心ではないでしょうか。

ちなみに、単に複数の宛先を指定してグループでやりとりするだけならSMS/MMSでもできることなのですが、BelugaにはSMS/MMSが逆立ちしてもできないことが可能です。それは何かというと「プラットフォームの壁を越えて、誰とでも、どの端末からでもやりとりできてしまう」ことです。詳細は次に述べます。

【特徴その3】マルチプラットフォーム

例えばiPhoneでSMS/MMSを使う場合、相手先はソフトバンクユーザーに限られてしまいます。auやドコモのアンドロイドケータイを使っているユーザーとはやりとりできないのですね。実際、ウチの会社でも簡単な連絡はグループSMSで行っていたのですが、メンバーの一人がiPhoneからAndroidに乗り換えたために、グループSMSが全く意味をなさなくなってしまいました。

しかし、Belugaだったらそんな心配はありません。iPhoneはもちろん、Androidアプリやウェブのクライアントまで用意されています。相手が何を使っていても大丈夫というのは、実は思った以上に便利です。

そして実はこの特徴が、災害時にも大きな安心を提供してくれます。なぜならBelugaは、自分のアカウントでログインすれば、どの端末からでもメッセージを見ることができるのです。例えば、僕がiPhoneでBelugaを使っているとします。家族と連絡を取り合っていたのだけれど、残念なことにiPhoneのバッテリーが切れてしまった。SMSを使っていたら、もうこれで全く連絡が取れなくなってしまうところですが、もしもどこかにネットに繋がっているパソコン、いやそれどころかネットに繋がったスマートフォンさえあれば、ブラウザでhttp://belugapods.comからログインするだけで、家族と連絡を取り続けることができるのですよ!

このように、端末や環境に全く依存せず、家族とやりとりができるというのはBelugaの大きな魅力の一つと言えるでしょう。

【特徴その4】位置情報が自動的に付けられる

災害時、相手や自分がどこにいるかを確認できるのは極めて重要です。しかし、SMS/MMS、メールでは、自分の居場所を自分で説明しなければなりませんでした。しかし土地勘がなければ、どこにいるかを文章で伝えるのは案外難しいものです。

BelugaのiPhone/Androidアプリには、メッセージに自動的にGPS情報を付与できるボタンが付いています。これさえあれば、簡単に相手の居場所を地図上に表示させることが可能です。これも、いざという時にとても心強い機能になってくれるに違いありません。

【特徴その5】Facebookのアドレス帳がそのまま使える

Belugaは、買収されたこともあり、Facebookとの連携が非常に優れています。アプリの中にはアドレス帳があり、それを開くと「Belugaを使用しているFBフレンド」の一覧が表示されます。ここから相手を選ぶだけで、簡単に相手とやりとりを開始することができるんですね。

これは特に災害時に限った話ではありませんが、FB上で繋がってさえいれば、相手の電話番号やメールアドレスなどを知らなくても、いつでもリアルタイムメッセージが送れるというのは、実は結構安心感のあることなのですね。

【特徴その6】ログがきちんと残る

これは地味ですが(そして災害にはあまり関係ありませんが)すごく重要です。SMS/MMSの場合は、例えばiPhoneの調子が悪くなってデータがぶっ飛んでしまったら、過去のSMS/MMSは全て消えてしまいます。これが困るなら、基本的にはiTunesとつないで、こまめにバックアップをとり続けるしかありません。しかし、そんな毎日のように頻繁にiTunesにつないでバックアップを取っている方は決して多くないはずです。

Belugaだったら、そんな心配はありません。データは全てBelugaのサーバーに保管されていますので、送受信したメッセージは全てログとして残しておくことが可能なのです。やりとりした履歴が全部残るというのは、これはメッセージのサービスとしては極めて重要なのですが、ここをきちんと担保してくれるサービスは、現状ではとても貴重だと言えると思います。(現状では検索が弱いので、そこはいずれ機能強化して欲しいとは思いますけれども)

この機能を使うと、例えば「万が一の時の取り決め」などをBelugaにあらかじめ保存しておこうという使い方も可能になりそうです。「緊急時の家族内連絡Pod」を作っておいて、そこにお互いの約束事や大事なメモなどを残しておけばよいわけです。Belugaにアクセスさえできれば、災害時、家族はみんなそのメモを確認することができますね。

 

SMSはもういらない

試しに家族とBelugaを使ってみて、そのあまりの快適さに、僕はもうSMSは一切使わなくなってしまいました。Belugaの良さって、こうして挙げていくと一つ一つはすごく地味で「取るに足らない」ことのようにも思えるのですが、それが過不足なく全て揃うことで「シンプルだけれどむちゃくちゃ快適なサービス」になっていると感じます。

見た目の派手さはないのですが、しかし、このサービスは僕的には久々の大ヒットです。地味ですがジワジワきて、そしていつのまにか決して手放せないサービスになっている。素晴らしいですね。

ということで、まだBelugaを使ったことのない方がいたら、是非試してみることをオススメします。まずは「最も頻繁に連絡を取りあう人」と一緒にアプリをダウンロードして、SMSの代わりに使ってみてはいかがでしょうか。それから、僕にSMS/MMSで連絡を取る方は、今後はBelugaを使って頂きますようお願いいたします。(^^)

http://belugapods.com/

 

 

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