東京電力グループは、電気を安全に、安定的にお届けすることを基本的な使命としつつ、「低炭素時代をリードする」という新たな社会・環境貢献を追求し、ゆたかで快適な環境の実現に貢献してまいります。
エネルギー・環境を巡る情勢変化を好機と捉え、新たなスタートを切ります。
東京電力グループは、電力自由化の進展や新潟県中越沖地震による柏崎刈羽原子力発電所の被災など、厳しい経営環境の下、グループ一丸となってサービスの向上や効率化・コストダウンなどを懸命に進め、困難を一歩一歩乗り越えながら、現代社会において欠かすことのできない電気を安全に、安定的にお届けしてまいりました。
今、世の中に目を転じると、少子高齢化・人口減少や産業構造の転換といった社会の構造変化に加え、省エネルギーの進展や地球温暖化問題、アジアを中心としたエネルギー消費の増大など、エネルギーを巡る情勢は大きく変わりつつあります。
これら経営環境の変化は、東京電力グループの経営に様々なインパクトを持たらすことも予想されますが、単に変化に対応するだけでなく、これまで築きあげてきた事業活動を一層掘り下げ、さらには幅広く展開する好機と捉え、より前向きな経営を進めたいと考えています。
このような認識の下、私たち東京電力グループは、次の10年に向けた「中長期成長宣言 2020ビジョン」を2010年9月に策定し、新たなスタートを切ることとしました。
これからも電力の安定供給をはじめ、社会の信頼を大切にする経営を実践します。
東京電力グループは、これからも、社会・地域のみなさまからの信頼を基本に、エネルギーセキュリティを確保しつつ、低廉で環境にやさしい電気を安定的にお届けするとともに、お客さまにご満足いただけるエネルギー・サービスを提供し続けます。
私たちは、発電所や送配電線をはじめ多くの設備を活用し、地域のみなさまにご理解・ご協力いただきながら事業運営を行っています。社会のみなさまからの信頼は、企業活動を行う上での基本と捉え、その信頼を高める努力を決して怠ることなく続けることが必要であると考えています。
いつの時代も変わることなく、電力の安定供給をはじめとする社会的責任を果たすとともに、社会の多くのみなさまとの対話を重ねることで、信頼を高められるよう努めてまいります。
低炭素化を一体的・積極的に進め、低炭素時代をリードします。
さらに、東京電力グループは、とどまることなく前進を積み重ね、新たな社会・環境貢献を追求していきたいと考えています。すなわち、電気を“つくる”から“つかう”まで、発電からお客さまに電気をご使用いただくところまで、エネルギーチェーンの様々な場面において、低炭素化を積極的かつ一体的に進めていきます。また、海外においても、これまで国内の電気事業で培った人材や技術を活かし、効率のよい低炭素なエネルギー利用を拡げていきます。
そして、これらの取り組みを通じ、「低炭素時代をリードする」とともに、これを企業収益と両立させることでグループの持続的成長を実現し、その成果を社会のみなさまと共有してまいりたいと考えています。
私たちは、「エネルギーの最適サービスを通じてゆたかで快適な環境の実現に貢献」することを経営理念としていますが、ここで言う「ゆたかで快適な環境」とは「便利でくらしやすいだけでなく、心豊かで、自然とも調和した持続可能な社会」だと考えています。
東京電力グループは、新たなビジョンを実現することで、これからの時代にふさわしい、ゆたかで快適な未来を切り拓いてまいります。
東京電力株式会社
取締役社長