橋下知事移転意向の55階庁舎、耐震性に疑問符 東日本巨大地震で、大阪・南港の府 地域政党「大阪維新の会」を率いる橋下知事は、咲洲への本庁舎全面移転を府議選の争点に掲げる構えだが、防災拠点としての機能性に疑問符が付いた形で、論議を呼びそうだ。 府内の揺れは最大で震度3だったが、西日本一の高さ(256メートル)を誇る咲洲庁舎では、「ゆっくりした長い揺れが10分近く続いた」(府職員)という。超高層ビルに深刻な被害をもたらすとされる「長周期地震動」の影響とみられ、発生時に展望台にいたという男子大学生(22)は「長い横揺れに立っていられなかった。手すりにずっとつかまっていた」と話す。 設備面のトラブルも相次ぎ、エレベーター全26基が緊急停止。うち4基に男性5人が閉じこめられ、全員救助まで5時間近くもかかった。エレベーターを支えるワイヤロープが絡まる被害も出るなど、発生から丸1日が過ぎた12日夜の時点でも8基が復旧していないという。 また、咲洲庁舎に近い天保山では60センチの津波が到達しており、近い将来の発生が予想される東南海・南海地震では、周辺がさらに高い津波に見舞われる可能性がある。埋め立て地にみられる液状化現象によって道路の通行ができなくなる恐れもあり、河田恵昭・関西大教授(防災・減災論)は「防災上、長所より欠点がはるかに多く、庁舎移転はやめるべきだ」などと指摘していた。 今回の地震について、橋下知事は11日夜、報道陣に「咲洲庁舎自体に問題はなかったが、揺れへの対応をしっかりしないといけない」と述べ、同庁舎の耐震性を強化する考えを示した。ただ、府議会からは「緊急事態に対応する拠点の役割を担えないのではないか」(民主党府議)との声が出ている (2011年3月13日14時00分 読売新聞)
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