由良中出身・伊奈君ソフトバンクへ 闘病中の家族ら笑顔
2006/09/26
ドラフト指名を喜ぶ伊奈君の家族=洲本市由良3 二十五日にあったプロ野球の高校生対象ドラフト会議で、洲本市立由良中学校出身の伊奈龍哉外野手(18)=滋賀県・近江高校=がソフトバンクから三巡目で指名され、家族や小中学校時代の指導者らが、夢の実現を祝福した。 小学校時代、地元の少年野球クラブ「由良クラブ」に所属した。六年のとき、あかふじ米兵庫県ジュニア軟式野球大会(神戸新聞社主催)へ淡路代表で出場した。 当時、監督だった中山昭弘さん(62)は「グリーンスタジアム神戸(現・スカイマークスタジアム)で外野フェンス直前まで飛ばすランニング本塁打を放った。並外れた体格とパワーに加え、負けん気があった」と振り返る。 由良中では当初、陸上部と、神戸のシニアリーグの“二刀流”を目指したが、元国体選手の父利幸さん(38)の手ほどきもあり、陸上の砲丸投げで開花。二度、全国制覇した。中三時には県中学生記録を樹立した。 三年間、担任で陸上部顧問だった持井敏・中川原中教諭(47)は「努力を惜しまず、県大会で上級生に負けると悔し泣きして練習していた」。 高校進学では、「プロ野球選手になる」という少年時代からの思いを貫いた。陸上関係者からの誘いを断り、近江高校へ。二年生の夏、4番左翼手として甲子園の土を踏んだ。 ドラフト当日となったこの日、同市内の利幸さんの弟宅に約十人の家族・親せきが集まり、朗報を待った。曾祖母の尾田かつ子さん(82)は、ひ孫の活躍を闘病の励みにしてきたといい、「あの子は『(自分が)頑張るから(かつ子さんも)いつまでも元気にしとれよ』と言うてくれていた。プロに行くなんて、うれしいこと」と話していた。(内田尚典) [ 閉じる ]
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