【東京】福島第1原発の1号機近くの地下水から放射性ヨウ素が検出された。東京電力が31日に発表した声明によると、濃度は海水に関する国の基準の1万倍という。同社担当者は声明直後に測定が間違っている可能性があると述べ、4月1日にあらためて結果を発表するとした。
放射線量と、サンプルの採取日が30日であること以外はほとんど詳細を明らかにしなかった。サンプルは地下約15メートルから採取した。
大気中の放射性物質が雨で地中に浸透したのか、大量放水の水が流れ込んだのかなど、放射性物質の出どころはわかっていない。
測定結果を説明した東電の担当者は、原子炉は固い岩盤の上に築かれたコンクリートの基盤上にあるため、原子炉から直接土壌に漏れたはずはないと語った。
菅首相はこの日、来日したフランスのサルコジ大統領との共同記者会見で、危機が収束した際に日本が長期エネルギー政策を見直す必要があるとの認識を示した。昨年閣議決定した計画では、2030年までに原発を14基以上新設する計画になっている。
サルコジ大統領は、世界共通の安全基準が必要との考えを示した。電力の80%を原発で賄うフランスは、原子力大手アレバを通じたロボットの提供や汚染した建物の処理といった支援を行う。
一方、国際原子力機関(IAEA)は、福島第1原発から北西約40キロの飯舘村で避難基準の2倍のセシウム137が検出されたことを明らかにした。これに対し枝野幸男官房長官は、今のところ20キロという避難地域を変える計画はないが、監視を強化すると語った。