~日本・2025年~
2011年3月、関東東北大震災により、福島第一原発から修復不能に近い放射能漏れが発生した。時の政権を担っていた民主党はリーダーシップを何一つ発揮することができなかった上、情報を秘匿しつづけた。次の国政選挙で圧勝した自民党は、現状を日本国民に正直に話し、第二次列島改造計画への協力を呼びかけた。その結果、現在の日本の状態は・・・
原発事故の後、旧福島第一原発から半径50km以内は立ち入り禁止、子供を作ろうとしている男女および18歳未満の子供は関東・南東北に生活の拠点を置くことを禁じられた。また、関東・南東北において生産および加工された飲食物は、この区域外において販売禁止となった。「関東・南東北地方」の北限は秋田~大曲~盛岡~宮古、西限は上越~長野~松本~甲府~富士となった。これにより関東・南東北の高校以下の学校は全て廃止された。
日本の国土は、「北日本」(関東・南東北地方の北)、「西日本」(関東・南東北地方の北)、および「東日本」(関東・南東北地方)の3つに大きく区別できる。東日本の地価は暴落したため、子供が独立した後の中高年にとって、住居が確保しやすい状況になった。その結果、中高年者に対する医療などが世界でトップクラスに発展した。インフラがある程度整っていた東京は、特に人気のある地域だ。また、食品以外の工場、および危険とされる石油化学コンビナート等が多く配置され、これらに従事するため出稼ぎに来る人が多くいる。結果として、東京周辺から静岡方面および新潟方面に向かう道路・鉄道は頻繁に使用されている。
福島第一原発周辺は、チェルノブイリ同様の野生動物の楽園となった。東北本線・常磐線はとうの昔に廃線となっている。放射能除去技術ができた今でも、だ。
「北日本」の中心地域は岩見沢ー札幌ー苫小牧を中心とした大札幌圏である。農地が多くあるので、日本の穀倉地帯になっている。また大札幌圏の周辺は元炭鉱町が多く、これらの街が復活している。新千歳空港は北日本地域の主要な国際ハブになっており、欧州・北米方面の飛行機が多く乗り入れている。
「西日本」の中心地域は大阪府周辺である。大阪市が首都となり、京都―大阪ー神戸ー岡山ー高松の一連の地域が首都圏として発展している。山陰地方は東日本に在住していた人が多く移住し、新仙台、新福島といった地名がある。また、富山市周辺も人口が大幅に増えている。
北日本と西日本を結ぶ回廊として、北陸本線が大活躍している。並行して新幹線を建設中。完成は2045年だ。また、北日本への貨物船が舞鶴・敦賀港から頻繁に出ている。この航路を守るため、佐渡島に海上保安庁・・・そう、今は海軍に吸収された”海上保安局”の大きい基地ができた。
都市や高速道路、発電所といった、新たなインフラを造るための人材が大量に必要だった。このため、2010年頃の就職難は一気に吹き飛んだ。2010年代は、国民が一丸となって、各々できることをやった時代だった。インフラが新しくなったおかげで、もともと高かったエネルギー効率がさらに高くなった。鳩山元総理がCO2の25%減といっていたが、福島の樹海化もあり、達成できそうだ。もっとも、CO2の減少なんかどうでもよい。輪番停電の悪夢が起きない方が大事だ。原発以降、国民の省エネ意識はとても高い。
・・・↑これを天界から見ている、という夢を見たよ・・・