深刻な状況が続く福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)で、3号機への放水を終えた川崎市消防局の緊急消防援助隊隊長らが28日、記者会見し、防護服の足に貼り付けたマニュアルを見ながら放水したことなどを明らかにした。
同隊の富岡隆統括部隊長(59)や小林英木副隊長(54)らの説明によると、放水の際、東京消防庁の屈折放水塔車を使用したが、事前に訓練ができなかったため、マニュアルを見ながらのぶっつけ本番だったという。
小林副隊長らは「隊員には(放射線は)見えないものではなく、線量計で分かるものだと教育した。隊員は冷静にミッションを遂行した。誇りに思う」と胸を張った。
一方、放水前日の24日午後6時、3号機近くで毎時1000ミリシーベルトの放射線量を測定したことにも言及。放射線量は放射線源からの距離に反比例することから、14日の水素爆発で原子炉建屋が吹き飛んだ3号機西側約20メートル地点のがれきの中にあるとみられるという。