2008-09-04

9月4日(木)

テーマ:ブログ
 杭州市内を見学。昼は、小龍包を食す。この旅行を一言でいえば、「食べて、寝て、呑んだ」ということになるか。

 特に昼がいけない。由緒正しい貧乏人の出だから、残すことができない。出てきなものは全部手をつけなければ申し訳ないと思う。かくして、日本いるときは、ほとんど昼は食べないのだが、中国では、昼をしっかり以上に食べてしまう。したがって、苦しくて身動きができないまま、夜の宴会になだれ込むのだ。

 夕べは、6階建てのなんとか「楼」に登る。登りは、エスカレーターを使ったが、降りるときは、階段を下りる。

 おかげで、万歩計を見たら、中国へ来て初めて1万歩を超えた。夜は、広州市の市長と会食。初めて会った市長は、びっくりするほどのかっこいい人だった。身長は180センチ以上、中国人というより、アメリカの褐色系白人という感じだ。

 仕草も堂に入ったもので、中国の指導者にもこういう人物が出てきたかと思わせる。彼に挨拶したとき、すごくかっこいいと話したら喜んでいた。ついでに、杭州市を日本に知らしめるために、日本に来て、テレビに出たらいいと話す。そうすれば、茶の間の中年おばちゃんたちが、挙って、杭州へ来るはずだ。

 終わってからも、みんなで、その話で持ちきりだった。やはり大切なのは見かけだよな。

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2008-09-03

9月3日(水)

テーマ:ブログ
 武漢を発って杭州へ向かう。昼、あわただしく食事をして、中国中の注目を集めているというIT企業「阿里巴巴 Alibaba.com」へ。ここは1999年にジャック・マー氏が設立した「Web上の企業間取引を提供する世界最大のeマーケットプレイス」。今や、220の国と2400万人のビジネスパーソンが利用し、昨年末に、ソフトバンクと組み日本にも上陸した。

 マー氏は、2001年の「世界における未来のリーダー100人」に選ばれてもいるのだ。

 1万人弱の従業員を抱え、2007年に香港の証券取引所に上場、時価総額2兆円を超えるのだそうだ。

 こう書いてきて、だんだんトーンが落ちてくるのは、それにしては、日本での知名度がいまいちではないか。人数が多いのは、自らコールセンターを持ち、担当者たちは、日に200件もの企業に電話をかけ、商談を持ちかけるのだそうだ。彼らの取り分は、固定給プラス歩合。広報担当者のいうところによると、数年後には従業員を10万人にしたいという。

 IT企業なのに、そんなに人数を抱える必要があるのかと聞くと、世界中に顧客を増やし、売り上げを増やしたいのだそうだが、今は、従業員は20代ばかりだから、さして給料が高くないからいいが、中国がこのまま成長を続ければ、給与水準は上がり、人員の確保も難しくなるのではないか。また、日本で、中国の食品会社などと、日本の地方の地場産業とB2Bビジネスや、B2Cビジネスも進めたいというが、先頃の餃子事件のように、中国食品への信頼は揺らいでいる。

 そうした品質の保証は、Alibabaがしてくれるのかと聞くと、日本の帝国データバンクのようなものをつくって、信頼できるものを推薦するというが、大変な手間暇がかかると思うし、日中間の失われつつある食品に対する信頼を回復させるのは、なかなか難しいのではないか。

 もちろん、扱うのは食品ばかりではないだろうが、ネットだけで、中国のよくわからない中小企業と、取引したいという日本の中小企業が急増するとは考えにくい。

 その上、個人情報にうるさい日本では、中国の企業の名前を使ってセールス電話をかけることは至難だろう。この企業、当分は、中国国内だけでビジネスするのがいいと思うのだが、素人の取り越し苦労だろうか。

 夕方、西湖の畔にある篆刻で有名な西冷(注・冷はさんずい)印社へ行く。毎回来るたびに、印鑑をつくってしまうのだが、今回も。花田さんも、部下にやるのだと、熱心に選んでいた。

 早めの食事をとって、西湖の畔で、北京オリンピックの開幕式の指揮をとったチャン・イーモー(張芸謀)他二人の演出家(王湖歌、樊跳)による演劇「印象西湖」を鑑賞。五百人にもなるというダンサーと光に音響、湖水や湖岸の樹木などを組み合わせた大掛かりなファンタジー・パフォーマンス。音楽は喜多郎が担当している。水面下15センチぐらいに舞台をつくっているのだろう、見た目には、水の上で、多くの人が舞い踊り、船が行き来し、周囲の林や寺院が様々に色を変える。圧巻は、湖の中から、船の形をしたものがせり上がり、巨大な船になっていく仕掛けだ。一緒にいたテレビ関係者は、これをつくるのに数億円はかかっているだろうという。

 中国恐るべし。杭州市は財政的に豊かなようだが、金に飽かしてつくったとはいわせないという覚悟と迫力に圧倒された1時間10分だった。

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2008-09-02

9月2日(火)

テーマ:ブログ
 朝から、福田辞任の話題で持ちきり。

 9時にホテル出発。長江の畔にある、湖北省博物館、黄鶴楼見学。

 昼、昨夜と同じ、武漢料理を食す。ここは、野菜料理が多く、ジャスミンの花などが出てくる。こんな野菜が日本でも手に入れば、中国野菜万歳!なのだがといいながら、ばくばく食らう。

 午後、長江日報社を訪問。地方新聞社だが、新聞3紙、週刊誌7誌を出すという。藩社長から、IT化に日本のメディアはどう対応しているのかを聞かれる。

 IT化で苦しむ日本のメディア事情を話すが、残念ながら、今のところ、いいアイデアはない。しかし、情報はタダなどとあきらめてはだめで、情報、その中でも、必要な情報は、金を出さなければ手に入らないということを、教育していかなくてはいけないのではないだろうか。

 こちらから、失礼だが、中国の識字率が上がって、国民の7,8割が新聞や雑誌を読むようになったら、ただでさえ紙不足なのに、世界中の紙はなくなるが、そうした対策はあるのかと聞くと、まだ、農村の識字率は50%程度だし、まだそんなことを心配する状態ではないという。既に、インターネット人口が3億人を超えたというが、その大半は、ゲームなどに使っているだけで、世界を知るためにネットを使っている人間はわずかなようだ。

 それと、本当に必要な情報は、何重にも張りめぐらされたファイヤーウオールのために手に入らないようになっているために、それぐらいしか使いようがないのかもしれない。

 夜は、武漢市の副市長による歓迎会。長江の夕暮れを眺めながらの夕食は、景色もごちそうだった。

 終わりは7時。外へ出て、武漢の夜を楽しみたいが、やることが多くて、泣く泣く部屋に引き上げる。

 なんとなく疲れる。本音で話し合うこともなく、儀礼的な言葉が返ってくるだけの虚しさが、ストレスとなって、体に溜まってきているのかもしれない。

 日中友好は大事なことだが、通訳を入れての片言の話し合いでは、こちらのいうことも伝わらないし、相手の本音を聞き出す術もない。

 申し訳ないが、相手が誰でも、腹を打ち割って、日中の間に横たわる問題を語り合えば、少なくとも、一度の旅行で、一人や二人の友人はできるはずだが、残念ながら、表敬訪問が多く、言葉が浮ついている日中友好は、なかなか友人をつくるチャンスがない。

 一夜でいい、気持ちのいい外の空気を吸いながら、ゆったりと、親しい中国の友人と話をしてみたい。そんな気がしている。おれも年をとったのか。そんなことを思いながら、冷蔵庫のビールを空けて呑む。

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