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【文化部記者のお墨付き】“靴フェチ”のアーティスト 赤摩千穂さんの個展「クツ?くつ…それでも靴!」が16日まで開催中
2011.1.15 12:00
サクサクッとフォークを突き立てたい衝動に駆られる。靴のかたちをしたミルフィーユ、と思ったら、ミルフィーユを模した靴だった。パイ生地のパリパリした質感といい、本当によくできている。
「靴」を題材に芸術作品を生み出すアーティスト、赤摩千穂さん(34)の作品。東京・銀座の「ポーラ ミュージアム アネックス」でいま、個展「クツ?くつ…それでも靴!」が開催されている。
赤摩さんは“靴フェチ”だ。子供のころから人一倍、靴に思い入れが強く、今も電車の中や街行く人々の足下に、ついつい目がいってしまうとか。「ただ、履いてみたいと思うことはない。単純に靴のフォルム(造形)を見るのが好きで…」。美しいハイヒールにそそられるタイプの靴好きとは一線を画す。
多摩美術大で染織デザインを専攻し、卒業制作で発表したのも靴。ただ、「靴のかたちをしたオブジェではリアリティーがない」と痛感、卒業後に靴作りを一から学んだ。
1点ずつ靴の型を作り、素材も自ら手織りした生地を使う。アイデアと素材、靴のフォルムが1つにまとまったとき、はじめて人の五感に訴えるリアリティーが出るという。
ちなみにミルフィーユの靴のサイズは22・5センチ。履けそうなのに、アート。ケーキなのに、食べられない。隔靴掻痒とした思いを抱えて会場を出た。
1月16日まで。入場無料。(黒沢綾子)
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