Updated: Tokyo  2011/04/01 00:32  |  New York  2011/03/31 11:32  |  London  2011/03/31 16:32
 

原発大国フランス:福島のリスクあっても「必要悪」-代替手段なし

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  3月29日(ブルームバーグ):福島第一原子力発電所で炉心の安定的な冷却を目指す作業が続く中、ドイツでは先週末、4都市で行われた反原発デモに約25万人が参加した。一方、フランスでは同様のデモの参加者が300人足らずにとどまった。

フランスにある原子炉の数は米国に次いで世界で2番目に多く、電力の原発への依存度は約80%と世界で最も高い。ドイツでは原発が提供する電力は全体の約23%にすぎない。

パリの仏議会近くで行われた環境保護活動家や左派グループの抗議集会に参加したブドウ農家のフレデリク・ゲシックトさんは「日本の状況に対する恐怖心が人々を突き動かすはずだが、実際にはデモに大勢の人が集まらない」と話す。

サルコジ政権は原子力に対する世論の支持をしっかりとつなぎ留める努力を続けてきた。フランス電力公社(EDF)を中心とする仏原子力エネルギー業界には約20万人が従事する。原子力の推進によって、フランスは電力料金が欧州で最も安い国の一つとなっており、欧州連合(EU)主要国の中では二酸化炭素(CO2)排出量も少ない。

フランスでは世論調査の結果もあいまいだ。欧州緑の党の委託でIfopが11日の東日本大震災発生の数日後に実施した調査では、「国内の原子炉を今後25年で段階的に廃止すべきだ」と51%が回答。TNSソフレスが実施したEDFの調査でも、「福島第一原発のような事故がフランスでも起こり得る」と68%が答えたが、原子力エネルギー廃止に反対する回答も全体の55%を占めた。

Ifopの世論調査副責任者ジェローム・フルケ氏は「フランス国民の原子力エネルギーに対する不安は高まった」としながらも、「脅威があると感じているが、信頼できる代替手段がない。必要悪だ」との見方を示した。

翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先:東京 柴田広基 Hiroki Shibata hshibata@bloomberg.net Editor: Ryoji Uchida記事に関する記者への問い合わせ先:Tara Patel in Paris at tpatel2@bloomberg.net

更新日時: 2011/03/29 11:16 JST
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