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農水省/フクショクの事業再構築計画を認定

農林水産省は8月26日、業務用食品スーパーのフクショク(福岡市)が8月11日に提出した事業再構築計画を審査し、産業活力の再生と産業活動の革新に関する特別措置法で定める認定要件を満たすと認め、26日付で事業再構築計画を認定した。

フクショクの事業再構築計画は、金融機関と親会社の福岡魚市場による債務10億8000万円の株式化(デット・エクイティ・スワップ)を行い、債務超過の圧縮と資本の充実を図る。これで経営基盤を強化し、顧客へのメール配信による商品PRやネットでの無店舗販売方式による一般消費者への新規販路拡大など、経営資源を効率的に活用。収益改善につなげる。生産性の向上としては、2011年度には2008年度比で自己資本当期純利益率を86.3%ポイント向上させる。

フクショクは1999年に冷凍加工事業に進出し事業拡大を図ったが、計画通りに収益が上がらず、大量の冷凍魚類などの不良在庫を抱えたことなどで債務超過に陥った。このため、親会社の福岡魚市場の協力で、2005年3期から2008年3期にかけて不良在庫処分を行った。

また、ことし3期には不採算部門で在庫リスクのある大阪支店、営業部、加工工場を廃止し、さらに、小売部門のうち収益性が低い長浜店を分離。福岡魚市場の別の子会社に経営を譲渡した。

これらの事業縮小で経営を収益部門の業務用食品スーパーに特化することで、今年3月期には、売上規模は大幅に縮小するが経常利益は黒字に転換。

しかし、小売業に特化して事業再生を図るためには、債務超過を抱えたままでは経営を安定させ事業を成長させることは困難としてデット・エクイティ・スワップを実行し、債務超過の圧縮と資本の充実を図り経営基盤を強化することにしたもので、今回の認定で、資本金の額の増加に伴う登録免許税の軽減の支援措置が受けられる見込み。

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