アメリカのスリーマイル島での原発事故の処理に当たり、福島第一原発事故への対応を技術面で支援するために来日しているアメリカの原子力関連メーカーの幹部がNHKの取材に応じ、今後の見通しについて、原子炉などの冷却状態を保つ緊急の対応だけでも少なくとも数週間程度はかかるという見方を示しました。
福島第一原発事故の対応で、支援のために来日しているのは、アメリカの原子力関連メーカー「B&W」など3社の幹部や技術者合わせて数十人です。3社は、スリーマイル島の原発事故の処理に当たった経験を基に、福島第一原発の原子炉の製造に携わった「東芝」が設けている対策本部で連日、対応策を検討しており、東京電力に技術面でのアドバイスをしています。このうちB&Wで支援の責任者を務めるロバート・コクラン氏は、NHKの取材に対し、今後の見通しについて「原子炉と燃料プールを安定させ、冷却状態を保つとともに、放射性物質に汚染された水の拡大を防止するという緊急の対応をするだけで少なくとも数週間程度かかる」という見方を示しました。さらに「燃料棒を取り出し、保管するといった長期的な対策にはさらに数年間はかかる」と述べ、事態の収束は長期化するという見方を示しました。また、同時に4基の原発で事故が起きている福島第一原発の事故はスリーマイル島に比べ深刻な事態だとしながらも、「過去の事故処理の経験から多くの知見を得ており、今回は、より安全で効率的な方法を提案することで、事態の早期収束に貢献したい」と話しました。