記事入力 : 2011/03/31 14:02:27
韓国で高まる外国人労働者への反発(下)
一部から懸念の声も
「多文化政策反対」のサイトを運営するIさんは「雇用数が限られているのに、多くの外国人労働者が流入しているため、私たちの働き口がなくなった」と話す。建設現場で大工として働いていたIさんは「外国人労働者が増えたことで、多数の韓国人仲間が仕事を奪われるのを目にしてきた」という。
Iさんは、一部の人々が自分たちをドイツの外国人嫌悪主義者「ネオナチ」に例えることについて、不快感をあらわにした。Iさんは「外国人の増加で被害を受けるのは、多文化政策を打ち出した人々ではなく、われわれのような庶民。庶民の実情も知らずに『ネオナチ』などと言う人々こそ、『ネーティブ・フォビア(自国民嫌悪)』だ」と主張する。「外国人労働者対策市民連帯」のパク・ワンソク常任代表は「欧州各国は相次いで多文化政策を放棄しているのに、韓国は反対の方向に進んでいる。(われわれは)政府の誤った多文化政策を批判しているのであって、決して人種主義ではない」と話す。
だが、こうした団体のサイトでは、外国人に対する激しい嫌悪感を表す書き込みが数多く見られる。不法滞在者の追放を訴えるある会員は「ゴキブリを掃き集めるように全員まとめて本国に追い返せ」と書き込んだ。「行儀が悪い〇〇のやつら」など、東南アジアの特定国家の出身者を見下す表現も多かった。
翰林大のキム・ヨンミョン教授(政治学)は「韓国社会の国際化に関する議論が先行しすぎている感があり、多文化政策のデメリットを重要視しない側面が強い」と述べた。キム教授はその上で「多文化政策を現実化することと、韓国に居住する外国人の人権を尊重することは別の問題であり、外国人に対し無条件に反感を抱くのは懸念すべきこと」と指摘した。
キム・チュンリョン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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