東京電力は30日、清水正孝社長(66)が29日夜に体調を崩して緊急入院したと発表した。原発事故の深刻化や計画停電などを巡り重要な経営判断を迫られる中でのトップ不在という異例の事態となり、清水社長の辞任は不可避の情勢となった。当面は社長職を代行する見通しの勝俣恒久会長は「社長から辞意は出ていない」と述べたが、清水社長復帰のめどがつかない中、東電は最高責任者の長期不在を避けたい考えだ。
勝俣会長は、清水社長も含む経営責任について「当面は、今の事態をいかに収束させるかに全力を尽くす」と述べたが、「思うところはある」と含みを持たせた。【山本明彦】
毎日新聞 2011年3月31日 東京朝刊